著:西沢あつし 監修:村田泰裕
表紙イラスト:まつやまたかし
価格:本体 1,500円+税
B5判 144頁(2008/11/01発売)
ISBN 978-4-8072-1515-9
舵社のWEBページ
これからシーカヤッキングを楽しんでみたい、もしくはシーカヤッキングの世界というのはこういうもの、という入門書という視点で製作したハウツー&世界観ブック。
それまでシーカヤックに関する本、特にハウツーブックは海外で書かれたものか(もちろん、それはそれで日本での技術的なベースになっているので構わないけど)、遠征を前提としたマニアックな本、もしくは固定された世界観を提供するようなフォトブックしかなく、特に日本というフィールドをベースに、もっと身近に様々なことを楽しむための、フレンドリーな本の必要性を常々感じていた。
そこで当時のカヌーライフ誌の休刊情報により、カヌー雑誌企画を舵社に持ち込んだところ、初代CW編集長(現社長)となる人から言われたのが、「うちはカヌーの世界ってどれくらい本が出るのかわからないから、まずは西沢君が本を出してみてよ。それを見てから決めさせて」というチャンスと言えばチャンスだが、いきなり崖っぷちの提案でもあったのだ。
ちなみに表紙周りをイラストにしたのは小生のアイディア。自分は写真家でもあるので「何で自分の写真を使わないの?」とも言われたが、シーカヤッキングには色々な遊び方があり、一口に海といっても、特に日本の場合は亜寒帯の北海道から亜熱帯の沖縄まで、様々な海がある。そして遊び方も色々ある。その当時の「シーカヤックはこういうものである」という画一的なイメージを壊していきたいと思っていたのだ。
それには写真ではなくイラストで、しかも表周りを全部使う必要があると判断した。写真については、中面で日本の様々な海の紹介に使えばいいのである。
そしてそのイラストレーターに、「Motor Panic」という車の絵本を描いていた、まつやまたかしさんに依頼した。氏の描く絵本のゴチャゴチャ感と明るくて楽しい感じが、小生の考えているシーカヤッキング・ワールドにぴったりだったのだ。
きっかけは、その「Motor Panic」に、当時小生の愛車だったフォルクスワーゲンT-3ヴァナゴンのイラストを見つけた。T-2バスをモチーフにする絵本はたくさんあったけど、T-3というのは珍しく、思わず連絡を取っていた縁なのである。
そして技術的な監修を西伊豆コースタルカヤックスの村田泰裕さんに依頼。技術的なことはもちろん、キャンプツーリングにも同行させてもらった。この本を作るにあたっては、色々なエピソードもあるがそれはまた追々。
そして2008年、それも11月というこれから冬という時期に上梓。
気になる売れ行きは、何と舵社の単行本の中でもかなり良い売れ行きとなった。最近では図書館にもかなり入ったという。これによって、約束通り「カヌーワールド」の製作へとつながっていくのである。
自分的には「みんなが欲しかった、必要だったもの」が間違ってはいなかったという安堵もあった。
ちなみにこの本は現在も売れ続けており、日本におけるシーカヤッキング・ハウツーブックの定番となったと自負している。
今までのお仕事
- 著書・ムックなど
- 「カヌーワールド」(2010〜 )
- カヌーワールド vol.20(2020/5発売)
- カヌーワールド vol.19 (2019/10発売)
- カヌーワールド vol.18 (2019/6発売)
- カヌーワールド vol.17 (2018/10発売)
- カヌーワールド vol.16 (2018/6発売)
- カヌーワールド vol.15(2017/10発売)
- カヌーワールド vol.14(2017/5発売)
- カヌーワールド vol.13(2016/10発売)
- カヌーワールド vol.12(2016/6発売)
- カヌーワールド vol.11(2015/11発売)
- カヌーワールド vol.10(2015/6発売)
- カヌーワールド vol.9(2014/10発売)
- カヌーワールド vol.8(2014/5発売)
- 「カヌーライフ」(寄稿期間:1996〜2012)
- 「ボート倶楽部」(舵社)
- 「Outdoor」(山と渓谷社)
- ラジオの仕事