◼水辺の漕ぎ語り [漫画家]のりつけ雅春さん

写真:西沢あつし/宮崎克彦
・カラー4P
その漫画の表紙を見たとき「?!」となった。
 なんとシットオントップカヤックに主人公が乗っているのだ。パドルの持ち方や装備を見ると、これはカヤックをちゃんと知っている人(多分、作者本人もやっているに違いない)という訳で、色々ルートを探し、モンベルを通じて取材依頼を行った。
 実は、最初はスケジュールが合わず取材を断られているのだ。まあ人気漫画家なので致し方ないと思っていたら、突然、○月×日にどこなら取材を受けられます、という連絡をいただき、その指定の場所に行って取材敢行と相成った。で、絶対に撮りたかったのが、単行本の表紙と同じアングルでの写真。もちろん見事におさえましたが。また、自分もやはり漫画家になりたかった頃があったので、仕事部屋への取材も敢行(フィールドの絵との対比も面白いと思ったしね)。いい感じの構成になっていると思います。
 取材後に「飲みに行こうよ」と先生に誘われて飲みに行ったなあ。

◼ファルトボートに首ったけ!
「利根川100キロ下りに挑戦!」の巻

協力:クリアウォーターカヤックス
写真:西沢あつし/宮崎克彦
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 今回の企画は小生の立案・執筆なので、ここに紹介。関東圏に100kmのロングツーリングコースなんて信じられる?まあ詳細はぜひ本文を読んでくださいませ。
 それにしても勿体無い。渡良瀬川ー利根川に渡って、川自体はほとんど瀬もなく、最初は流れていくだけ。途中からは漕がないと進まないくらいなのだけど、とにかく上陸してキャンプなり休むなりできる場所が無いのだ。川そのものと河川敷の間には大抵、木々が密集して生えていたり、背の高い草が密集していて分断されているのだ。今回は取材ということもあって(いつもの通りの)強行軍だったけど、ここを何日もかけて旅をするのもありだよね。また、ファルトボートを筏にするというのも、なかなかいいアイディアだと思うけどね。これにセール立ててみようかなあ。 

◼CW厳選! フィールドガイド

ここの画像はいずれもトップページのみ。マップなど情報は本誌に乗っていますので、ぜひお買い求めください!

◼️福浦八景(新潟県)
協力:WEST三条店
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 「カヌーライフ」の時代にも一度取材で漕いだけれと、大きく状況は変わっていないものの、随分浜が痩せてしまった海岸もあった。また海岸添いの遊歩道はますます崩れて、自然に還ろうとしている。でも基本的には、短い距離の中に色々な風景のある、楽しい海岸だなあという場所だ。海の方に太陽が回って海岸を照らしてくれるのが午後になってしまうのだけど、海は午前中の方が静かなことが多いという、撮影派にはちょっと困ったところかな。鯨波という鉄道写真ポイントもあるけど。
 また高速道路も伸びて、関東や中部の都市圏からアクセスしやすくなっていたのは嬉しい。

◼️佐久島(愛知県)
協力:レインボウ三河湾シーカヤックスクール
・カラー4P

 以前の「カヌーライフ」の取材の時はここより南の篠島まで漕いだが、カヌーワールドでは読者層も考慮してここまで。というか、佐久島をじっくり回っても面白いし、十分難易度の高くなり得る場所だ。昔はこの島をベースとしたカヌークラブもあったが、今はもう無いという。
 締め切りギリギリの取材で、天候が悪ければ4P落ちてしまう…という状況だったが、レインボウの中谷氏をして、こんなに静かな海は珍しいと言わしめたほどのツーリング日和だった。一応、そういう状態での取材ということで読んでいただければと思う。

◼️御前湾・出島(宮城県)
協力:アースクエスト
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 震災から大きく状況が変わってしまった三陸海岸。とにかくまた遊びに来てくれればと思って、できる限りはその状況を伝えたいと思っている。その三陸の入り口、女川の出島のフィールドガイド。ここも2回目なのだけど、まず前回は太平洋側に行けなかったので新鮮。そしてかなり漕げる人じゃないと難しいな、と思った次第。もちろん本州側、島影は静かなんだけどね。
 工事は今も続いているので、取材時と状況は大きく変わっていることが考えられる。これは致し方ないので、これから漕ぎにいきたいという人はアースクエストに問い合わせるか、現地で工事している人がいれば聞いた方がいいだろう。

◼️鬼怒川(栃木県)
協力:カエルアドベンチャー
・カラー4P

 良く知られている名前だけど、今回川下りをしたのはライン下りの場所ではなくて、その中流部(ライン下りのところも漕げるのかな?)。ここは大きな増水があると都度川筋が変わる。要は堤防に囲まれた範囲で自由にやって、という感じなのだ。なので、細かいところは自分でルートファインディングと、しっかりしたカヤックコントロールが必要。まあ遊園地じゃないから、どこも同じなんだけどね。
ちなみに取材中に沈をかましてしまった川。今思うと、なんでダッキーで下らなかったのだろう。カメラは幸い無事だったけど。

◼️仁淀川(高知県)
協力:四万十塾
・カラー4P

 仁淀川は前々から一度行ってみたかった場所。仁淀ブルーの上にカヌーを浮かべた絵を撮りたかったのである。そう思っていたところに、ちょうど四万十塾がツアーをやるというので相乗りさせていただいた。実際漕いでみて噂に違わぬ川。今度はカナディアンカヌーで降ってみよう。
 帰って来てからJRに乗ったら、仁淀川の画像で「フルムーン」のポスターを見かけた。高知県も積極的にアウトドア・アクティビティの展開をしていて、この取材が終わってから、プレスツアーの案内をいただいた。うーむ、タイミング悪し。まだ行きたい海も見つけたので、再訪はしたいと思っている。

◼️九頭竜湖(福井県)
協力:ノーム自然環境教育事務所
・カラー4P

 フィールドガイドに湖を一つ入れたいと思って探していたところ、クリアウォーターカヤックスの清水さんから紹介をいただいたところ。福井ということで東京からのアクセスは大変じゃないかと思っていたが、これも新しい道路ができていてアクセスは予想よりも楽だった(まあそれでも遠いのは遠いのですが)。湖面へのアプローチができるところは限られている上に重いカヤックでは難しいが、今後整備されるというので、期待したいところ。また他にも体験カヌーを楽しめる業者も出ている模様だ。
 湖でのフィッシングも、地元の漁協が今後いろいろとチャレンジしていきたいと、2018年には釣り大会も開催されている。これから楽しみなフィールドだろう。

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