【運命の出会い】カングー店巡り、唐突の終了
店に入って「カングーを探している」と言うと、地下のガレージに案内してくれた。そこにあったのは、いわゆるデカングーのジョンアグリュムと、ベールカクタスの色。
うーん、どうしようか。正直悩む。
他に在庫が無いか聞くと、今、上にもう一台あるという。
それも見たいと地上に出ると、それはなんと最初、お客さんのものと思っていたブルーのカングーだったのだ。
「これ、売り物だったんですか?」
鮮やかなブルーが目に焼き付く。なんでも「クルール」シリーズとして出された三色のうちの一つで、「ブルーフランス」と言うこの色は、日本で30台(オートマ15台)だという、超希少車。と言うより、希少色か。
ワンオーナー、トラブルなし。
ただ、走行距離88,000km、2011年製造ということもあって、値段的には二桁万円とはなっていた。ちなみに前年製造のベールカクタスは、100万円を大きく超えている。先の店では「色」によって値段が変わると言っていけど・・・。
「ああ、それは走行距離の違いですね」とオーナーの森さん。
こちらはブルーのほぼ半分である。
なんでも走行距離を気にする人が多く、それが少ない車はどうしても高値になってしまうそうなのだ。
ヨーロッパ車はメンテナンスをしっかりしていれば、5万キロ以内なんて誤差の範囲(あくまでも個人の感覚)と思っている。同じ状態なら安い方がいい。
先に書いた通り、いくらいい車に出会えたとは言っても、メンテナンスで長い付き合いになるので、一通りのことを聞いてみたけれど、これなら(これも僕の基準)大丈夫そう。
何よりも「カングーってネットではよく壊れるなんて言われているみたいですけど、そんなことは(メンテをしっかりしていれば・注)無いんです」、と言う言葉と(決して壊れないと言っているわけじゃないよ)、ヨーロッパ車を長く乗るためのコツ、というか心得というか、その辺りの話が、T3ヴァナゴンで苦労してきて得た自分なりの哲学?に合致したので、この店で買うことにはしたが、さて、あの「ブルーフランス」である。
試乗もさせてもらったが、まあちょこっと乗っただけではなんとも言えない。まあ大きな問題はなさそうってくらい。むしろカングーのヘッドクリアランスと視界の広さに、早く欲しさ倍増。
やはり、すでに問い合わせも入っているので、買うなら今決めて欲しいという。
カミさんが、これを逃すとあとで後悔するんじゃない?と煽ってくる。
うん。たまには一目惚れで車を買うってことがあってもいいよね。
命を預ける相棒なわけだし。
「それじゃ、買います、この青カングー」。
と言ったかどうかは、多少なりとも頭に血が登っていたと思うので覚えていないが、何よりもその場で見積もりをもらう前に決めてしまった。
あとはルーフに何もついていないので、このままだとトランスポーターとして肝心の機能を果たさない。前々から考えていた「ヘビーデュティキャリア」を付けたかったんだけど、すでに生産終了している。在庫が無いか聞いてみたが、店には無いという。
「ああ、そのラック売りたいっていう人いたけど、値段がなあ」。
あまり勧められる価格じゃ無いという。
本音で話してくれるとありがたい。
サードパーティも見送り、純正のマルチルーフレールにすることにした。
「これももう生産していないから、そのうち無くなりますよ」、とのこと。
(あとで調べたら、Thuleの専用のフットもあって、これにプロフェッショナルバーを付けた方がユーティリティは高そうだったんだけど、それはまあそれである)
手付金は後日でもいいという。
時間も遅くなっていたので、名残惜しいがその場は去ることにし(初稿も届き始めていたし)、細かいやりとりはメールですることに。
まあ、これも一つの運なんだろうね。
そういう車なのだろう。
「出会った時が全て」。
そういえば、自分の記憶では、ここに外車屋さんはなかったと思ったんだけど、と聞くと、元は杉並で営業をしていて、練馬に移ってきたのは5年ほど前だという。僕が練馬を離れてから四半世紀。それは知らないはずだ。