オリンパス「Tough TG-6」を使ってみよう。
ここ数年、防水機能を備えたコンデジも出てきたのだけど、自分がこの仕事で使うには、なかなか使えるレベルのものは無いと思っていた。そこで無理にでもデジタル一眼を使って来たのだが、先日の取材で、とてもデッキのペリカンケースからカメラを出して撮影ができる状態になったのだが「とにかく撮っておきたい」状況になり、これはPFDのポケットに入れられるコンデジを探してみようと思い立ったのである。
防水のコンデジを使わなくなった理由は、主に以下の二点。
①そもそもの画質の問題(デジ1との差が大きすぎる)
②レンズカバーが無い
①はいわゆる印刷原稿(できればA4見開きレベル)に耐えられるかという問題。そして②については、過去何度かコンデジを使ったのだが、撮影後のチェックで水滴がレンズ前についていたことが何度かあり、背面のモニターでは大きな水滴でも確認しずらい。カヤックでは水に付けるというよりも、スプレーが厄介なわけで、特に海の上では水滴がついた状態で乾くと、これまた厄介な状態になるのだ。
コンデジで撮影しなければいけない状態というのは、カメラの状態を確かめる余裕も無いわけで、撮影直前までレンズ面が保護される機能をもつカメラが出ないとなあ、と思っていた。レンズ前にキャップが付けられる、かつてのニコンL35AWみたいなモデルのような。
そしたらオリンパスより「Tough TG-6」をテストとしてお借りできることになった(自分の中ではもう買うつもりでいて、あとは吐き出す画像のチェックだけど思ってるのだけど)。このカメラ、オプションにはなるけど、レンズ前にカバーが取り付けられるのである。「水中は厳しい」と言うが、スプレーくらいは弾けそうである。
しかし、実機が家に届いたところでショックなニュースが入ってきた。
映像事業の譲渡に関する意向確認書の締結について
オリンパスが映像事業を譲渡するという。
いくつかの報道ではオリンパスのブランド名はしばらく消えないだろうという。ここしばらくオリンパスのカメラをテストさせてもらって気が付いたのだが、このメーカーしか持っていない(というか、製品として妥当な金額で出している)コンセプトや機能というのがいくつもあり、逆に言うといわゆる大メーカーではやらないような(技術的にではなくマーケット的にだろう)ことが多いのだ。
カヌー、カヤックというフィールドで必要な機能は写真的にはニッチなマーケットだ。
大メーカーがやらないこと(やれるのかも知れないけど、コストを理由に入れ込めないこと)をやってきたのが、このメーカーの強みでは無いかと思う。メーカーと同じように単純にコストだけを追求することになると、オリンパスがコツコツと築いてきたブランドを否定することになるんじゃないかと思うのだ。