小特集:セーリングカヤックは楽し! 「YT17」

今回の企画で新たに発見したのが、この「YT 17」。YTスタンドアローンカヤックというビルダーが製作している。

取材は山中湖。当初は風が吹きだす午後(普通は逆だよね)に取材をしようと思ったのだけど、この時期、首都圏から近い観光地は異常とも言える人出で、周囲が大渋滞しているということがわかり、急遽、6:00現地集合ということになって、途中のSAで車中泊して現地入り。おかげで人出は避けられたけど、鏡のような水面での撮影となったのでした。

富士山とウッドカヤックの美しさをメインにイメージ的な画像はたくさん撮れました(笑)。

でも、わずかな風もとらえるのと、船のデザインの秀逸さは十分にわかったのです。

まず目が行くのはカヤックの船首の形状。一般的なシーカヤックとは異なり、英国海軍の戦艦「ドレッドノート」を彷彿とさせる。スターンも往時の戦艦のようだ。なぜこのような形状になっているのか、詳細は本誌を見ていただきたい。

かつて、バルバスバウ(球状船首)をつけた施策カヤックを見たことがあるが、シーカヤックマラソンでの使用を前提としたものだったので、このカヤックとは前提が異なる。

そしてセールの形状は、図らずもカヤック用汎用セールキット「ライトセール1.0」と同じような形状となっている。大きく異なるのは、マストをデッキに固定する部分。ライトセールはベルトで支点を固定してしまうが、YT17は使用時にアタッチメントに引っ掛ける、つまりマストの位置はコックピットにより近くなるのだ。

これはセールをメイン動力とするのか、補助動力とするのかのコンセプトの違いだと思う。ただ、形状については、もちろん高嶋さんも僕もセーリングキット制作中はこのビルダーさんのことを存じ上げていなかったのだが、導いた結論がほぼ同じという面白い結果となった。

スケジュールの関係で取材時間は短かったが、これから意見交換も進めていこうということになった。セーリングカヤックも面白いことになっていきそうである。

このあと、実際に製作されている半場さんの工房に移動して、色々話を伺いました。

今後、工房訪問で伺うことになるかと思います。