シトロエン・ベルランゴのような車

日本各地の取材旅に使っているレジアスエースも、そろそろ20万km。だいぶくたびれてきた感は否めない。それでも未だに長距離・長時間乗ることも多いのだが、2.4Lガソリンエンジンのトルクの細さ、かつトーションバー+板バネという貨物車サスペンションが、体力的にも精神的にも少々辛くなってきた今日この頃。
昨年、大いに気になる車がリリースされたので、ちょっとウォッチしている。
それは「シトロエン・ベルランゴ」だ。
まず気を引いたのは、大きなグラスルーフと遊び心満載の内装だ。そして商用車ベースということで、(多分)しっかりとしたルーフレール。形状も結構前方から使えそうな感じなのである。だいたい欧州車は屋根からリアまでしっかりと使うから、お飾りルーフレールではないのだ。グラスルーフは積載したカヌー・カヤックの状況を逐一確認できる。もちろん開放感もあるが、トランスポーターとして使用するわけだから、自分的にはそちらの方が使える、という判断だ。
この車自体は、ヨーロッパではかなり前にデビューしていたけど、なかなか日本には入ってこなかったのだ。
なんでも商用車を輸入するとシトロエンのブランドイメージに合わないと書かれているサイトもあったけど、いや、そんなことあるもんかね。むしろ出来のいい商用車ならイメージアップではないか。ルノー・カングーのような事例もあるわけだし。欧州車については、今や乗用車よりも商用車の方が「個性」が出ているように思うよ。

実際、昨年ちょろっと予約販売やったんだけど、実車がないというのに、あっという間に売り切れになってしまったのだから。

で、この週末は実車がディーラーに来ての商談会というので、ちょっと見に言ってきた(プロモーションメールに登録したら、早速ディーラーから電話が掛かってきて、今予約しないと納車まで時間がかかるって言われたけど、実車を見なくちゃ判断できないって言って断ったのだ)。

この週末に見に行ったもう一つの理由は、ベルランゴのミニカーをくれるというので(笑)。

しかし既に配り尽くしてしまったとのことで、2cvのミニカーを頂いた。すみません、僕はこちらの方が嬉しいです。それにしても早々に配りつくすほどの来場者だったのですね。

実車を前にして、まず聞くのはこれ。

「ルーフキャリアは付きますか?」

これは、イエスとのこと。
続いて「耐荷重は何キロですか?」
やはりこんなことを聞く人はいなかったらしく、営業マンさんは「確認します」と社屋に入ってしまった。
で、結果は「80kgです」、とのこと。
国産ミニバンよりは良いけど、商用車ベースと考えるともう少し欲しかったかな。
ちなみに、オプションで設定されているキャリアは、Thuleのようです。

それにしても、8速トランスミッション+マニュアル時はパドルシフトって楽しすぎる。
ハンドルを握った感じもよく、長距離運転もレジアスエースよりは大幅にコンフォータブルになりそうではある。ただ車中泊にはちょっと工夫が必要そうだ。全長が意外と短いのである(もちろんハイエース並を求めているのではない)。
ただ、日本の高温多湿、特に近年の異常高温な状況の中でも全く問題がないのか、若干日本アレンジには足りない部分もあるし、またこの長さだとNV200と変わらないんだよね。シーカヤッキング+車中泊にはもう少し長さもほしい。前にエンジンがある分、ただでさえ車内は短くなるのだから。
というわけで、もうしばらく様子見。まあレジアスエースも十分現役の間は。
ただ様子見をしている間になくなったりするかもしれないけど、まあそれはそれで仕方ない。
それにしても、フォルクスワーゲンも「T5」を、ルノーも「トラフィック」を入れてほしいなあ。先に書いた通り、日本車との差別化は商用車こそできるように思う。
ちょっと調べたら、トヨタも「プロエースシティ」なる車をイギリスで発表していた。
車台やエンジン、ボディの一部をベルランゴと共用しているっていうし、特に全長4,700mmのロングもあるというから、これも日本で発売してほしいなあ。