スタッドレスタイヤからノーマルタイヤへ。このあとまさかの事態が待っていた。

4月終わりに奥只見この方にカヤッキングに行きたかったのだが、ガイドさんと僕のスケジュールがどうしても合わなかったため、今シーズンは見送ることになった。タイヤもそれを見越してスタッドレスを履いたままだったのだが、これでようやくノーマルに履き替えることになった。

天気予報では朝から雨だというので、止む午後から作業を始めようと思ったのだが、雨戸を開けたらうす曇り。すぐに雨が降り出すとは思えなかった。

「よし、やっちまうか」

予定を変更して午前中に交換してしまうことにする。昼前にUさんと会う約束をしているので、それまでにセットアップしなくてはならない。

家の裏に置いてあるタイヤラックまでたどり着くには、脚立やサイクルキャリア、数々の部品(見る人によってはガラクタ)が入っているボックスを順番に出していかなくてはならない。結構な労働である。「あ~ガレージが欲しいなあ~」と思うが、まあ言うだけはタダだ。

というわけで、手押し車でタイヤ4本を運んで交換を開始。

まずはマイナスドライバーでホイールキャップをパコンパコンと外していく。このために専用の工具があるらしいのだが、残念ながら持っていない。

そして右前輪から交換を始めるので、対角線のタイヤ(左後輪)に輪止をかけてから、をボルトの頭に(T3の前輪はボルトでとまっているのだ)しっかりとかけて、手にぐっと力を入れると回る、あれ??更にぐっと力を入れる、が、回…らないぞ?

手に体重をかけてグイと押しても…回らない。

なんじゃこりゃ?

普通はこれで十分回るはずである。

もう一度しっかり がボルトのアタマにかんでいるか確認して、柄の部分に乗ってみる。

しかし回らない!!

今度は弾みをつけて柄の部分に体重を預けると、ギッという音がしてようやく回った。僕の体重は…今90kg近くあるのだ。これは明らかにオーバートルクである。(今考えるとボルトが折れる可能性があったと思うと、ちょっと怖い)

それが前後輪全て同じようなバカ力で止まっているのである。右側の交換が終わったところで息が切れてしまった。

スタッドレスタイヤに替えてから(2006年1月19日の記事)、僕は一切タイヤをいじっていないので、明らかにタイヤ交換をしたタイヤ館東村山店の仕業である。

ようやく右側のタイヤの交換が終わり、左前輪に移ってボルトにレンチをはめて体重をかけたらウニュッとすべった。…嫌な予感。

案の定、ナメてしまった。マジかよ。

それでも1本はなんとか外したが、2本目もナメてしまう。

「ダメだ!!これは!」

鉄ホイールとアルミホイールでは、使うボルト(ナット)が違うので事なきを得たが、冬までに新しいボルトを買っておかないとならないだろうなあ・・・。

U村さんにはタイヤ交換でトラブルが起こったので遅れると連絡を入れて、タイヤ館東村山店に向かった。

スタッドレスタイヤのときに対応した店員(店長?)らしき人を見つけたので、声をかけると「すみません、他の仕事がありまして」と言ってそそくさと奥に引っ込んでしまい、若そうな男に対応を指示した。

こういう対応をされると非常にアタマにくる。もちろんクレームだ。

ボルトを締めるときの設定値を聞いたら、12kgf/mで締めているという。

「その12kgで締めたナットを、90kgの僕がレンチの上に乗っても回らないなんてことはありますかね?」と聞くと、「そんなことはありません」と答えた。「ということは設定を間違えたんですね?」と続けると、何も答えなかった。

その店員が専用のレンチで外そうとしたところ、やはり最初は回らず、設定を変えてようやく回ったのを僕は見逃さなかった。緩めたボルトを締めなおそうとしていたので、「もう絞めなくてもいいです。僕が手で絞めて帰りますので」と言い、緩めてもらったボルトを自分の手で絞めて店を後にした。

もちろん、この店に来ることは2度とないだろう。