予てから考えていたGTIルック化計画を実施した。詳しくは2005年7月10日の記事にあるので、そちらをご覧ください。

というわけで、いよいよエンジンがかからなくなったと思える理由に迫る。
ようやくガレージに戻ってまずはフューエルポンプ。ボディのほぼ中央下面に位置する。銀色の筒状の機器だ。手馴れたものですぐに交換を終えた。特に問題は見当たらなかったので、原因はリレーにありそうだ。もっともポンプも寿命に近いと思われるので交換しておくに越したことはない。

使命を終えたフューエルポンプ。そしてエンジンルームにもどり、左側にあるブラックのケース内にあるフューエルポンプリレーの交換になって岡田メカの手が止まった。

Ueさんからお借りしたリレーが片方しか交換できないという。
普通4極の同じリレーが2つ装着されているのだが、僕のT3はなぜか片方が5極のリレーになっているというのだ。
品番は「321.929.505A」。ちなみに4極の方は「141.951.253B」で、通常はこれが2つ並んでいるそうだ。

これがそのリレーボックス。

同じ時期に入庫していたデヘラー、カラベル、T3Westy、ヴァナゴン(カラベル北米仕様)全てを調べてみたが、5極のリレーが入っている個体はひとつもなかった。

とりあえずUeさんからお借りした4極のリレーを交換する。ファントムの在庫を調べてみても無いとのことなので、ここはひとつDrに相談してみましょう、ということになった。

もう日もとっぷりと暮れている。今からいったらちょうど晩飯どきになっちゃうなあ、というところだったが、Drが構わないよと言ってくれたので、我がT3のハンドルを岡田メカに預けて出発する。

岡田メカは細い路地でもガンガン行く。久々に助手席(国産車では運転席側)に乗ったが、おっかないのなんの。しかしキビキビと走ろうと思えば走れるのであるな。たぶん僕が走る場合の2/3くらいの所要時間でDrのラボに到着した。とにかくまずメシでも食いに行きましょうということで、近くの飯屋に行ってから作業が始まった。

問題の5極のリレーを見たDr。残念ながら同じものの持ち合わせはないとのことだが、突然問題のリレーのカバーをむしりとり、分解し始めた。
「えー!代わりのものがないのにどうするつもりだろう?!」と慌てるも、どんどん分解して、ついに中身がむき出しになった。
「あー、ここがいかれてんのやな」というが、僕はそうですかあ、とうなづくしかない(笑)。パーツケースの中から同じようなリレーを取り出すと、最初壊れたパーツの交換に取り掛かったが、「ええわええわ、こんなことする必要あらへんわ」と言うと、元のリレーをハゲシク分解して新しいリレーの電極一つ一つに元のリレーの電極板を半田付けしていった。つまり、それぞれ対応する電極に誘導しようというものである。

半田付けが終わるとブラックボックスに戻して、アイドリング調整を行う。前回からアイドリングの調整が難航していたが、前のリレーにも原因のひとつがあったようだとDr。調整が終了後、リレーを確認したところ、熱を持っているようではないので大丈夫だろうということ。
各種センサーを含む様々な機器での微妙な調整があって、アイドリングは安定するのである。

「これで当面は大丈夫だと思うけど、新しいパーツが手に入ったら交換しといてね」とDr。うーむ、すごい。毎度のことながらGod handに感嘆してしまうのであった。

ラボを後にし、再びファントムガレージへ戻るときには、既に日付は変わっていた。
食事しか休憩を取らないでいてこんな時間。ファントムとラボで修理調整延々14時間超。ほんとお疲れ様でした。

しかし僕はこのまま東京に戻って出社しなくてはならないのであった。果たして!無事に着くことはできるのだろうか。帰りは帰りで違う意味での決死行だ(苦笑)?!

・・・ちなみにこの話はまだ6月です。季節は秋にかかろうとしていますが(苦笑)。