僕はT3ウェストファリアを1,000km超のロングからオーバーナイトに雪道走行まで、あきれるほどにガンガン使ってはいるものの、いわゆる旧車、しかも外車を所有するのは初めてである。それまで乗っていた国産車、しかもさほど旧くないものを乗り継いで来たので、最初の1年は正直相当戸惑った。ここまで壊れるとは…。

そしてT3ヴァナゴン/カラベルについては、未だ試行錯誤が繰り返されている車である。絶対正解というものは少なく、比較的正解に近いだろう、ということを実施していくしかない。その結果をフィードバックして、よりよいと思われるノウハウを積み上げていくのである。
つまり頼んだ時点のスキルに対価を支払うことになるので、自分がどこまでを許容範囲とするかなのであるが、ただ、より多くのサンプルを手がけた方が当然フィードバックも多くなる。
そういう車なので、どうしても「治す人」と「治される人」との感覚のズレが起きると思う。そのズレを修正する(?)責任があるのは、僕はメカニック(ショップ)の方だと思っている。それが旧車との「付き合い方」を教えるということなのではないだろうか。

言いくるめる、言いくるめられるというバカシ合いではなく、治す方も治される方も真摯に向き合って、自分の車をどうしていきたいのかということを一緒に考えていく、そんな関係ができるといいと思うのだ。

さて、そんな理想の関係を築くことができるメカニック(ショップ)とはどんなところだろう?

オーナーとは絶対に直接対話しようとしないメカニックと、なかなか捕まらなくても、メールでは(たまに意図とは外れるコメントがあったとしても・笑)必ずリプライをくれるメカニック。

「機械が壊れるのは当たり前だ」というのが持論で壊れるまで手をつけない(アドバイスすらしない)メカニックと、「ここがそろそろ寿命なので、部品を用意しておいた方がいい」と言ってくれるメカニック。

「マニュアルが絶対だ」としてユーザーの提案を聞き入れないメカニックと、ユーザーが実地で検証したデータを柔軟に活用するメカニック。

見積書を要望しても修理完了までは特定できないとして紙一枚も出さないメカニックと、とりあえずの見込みとして見積書を発行し、追加があればその都度連絡をくれるメカニック。

正規代理店で数十年勤めたという「職人的」メカニックと、並行輸入を扱っていた店舗で様々な修理をこなしてきたメカニック。

ただ、車シロートの僕には、「職人的」という定義が何を指すのかは理解できませんでしたが…。