松崎のなまこ壁とT3ヴァナゴン・ウェストファリア

先週末は伊豆半島をほぼ半周して来てしまった。といっても仕事なので、南伊豆→西伊豆→東伊豆→西伊豆と我がヴァナゴン・ウェストファリアと共にせわしなく動き回っただけ。カヤックを積んでいったのに、日曜にはあんなにいい天気だったのに海に出られず…。

しかし土曜の寒冷前線の通過は、今までに経験したことのないほどの急激な変化だった。

雲見から松崎までの国道136号線は、崖にへばりつくように走っている。ただでさえ風の影響を受けやすい四角いボディの上に、約5mのシーカヤックを載せていたのでハンドルを取られること数度。流石に危険を感じたので、岩地の駐車場に車を止めて風待ち(この場合は風が止むのを待つ)のために車内でメシを作って食べていると、自分の名前を呼ぶ声がする。「だ、誰だ?!」外を見るとずぶ濡れの○×さんが立っていた。

どうしたのか聞いてみると、出たときはベタ凪だったのにアッという間に海が荒れてきたので、「これはヤバイ」と思って近くの港に向かったが上陸間際のところで沈、艇を置いてベースキャンプまで帰るところだったという。風が若干落ちたときを見計らって、その人を乗せて艇が置いてあるところまでピックアップに向かった。

その人は相応にスキルもある上、何度もこのエリアを漕いでいるような人だ。それでも天気の変化についていけなかったのだ。パドリングのシーズンを迎えて、海の怖さを再認識した1日だった。

というわけで、また格闘記のはじまりでございます(泣)。

ファントムガレージでの冬の修理が終わった後、若干の次回回しはあるものの、しばらくは順調に走っていた。

そんなある日、エンジンをかけると、「カタカタカタカタ・・・」と金属があたるような音が聞こえてきた。

うーむ、またタペット音がしだしてしまったか・・・。タペット(リフター)はカムシャフトからの力が最初に伝わる部品ということだが(違っていたらごめんなさい)、しばらくエンジンを回さないとオイルが落ちてしまって、オイルが戻ってくるまでは音が鳴りやすくなるみたいだ。しばらくエンジンを回していればリフターにオイルが回って音がしなくなる、というのだが、日が経つにつれて音が消えるどころか、次第に大きくなってきてしまった。

うーむ、どうしよう。

以前はオイルを硬いもの(20W-60の「BPクラシック」)に替えると音がしにくくなったが、ここまで硬いものはOHが済んだ後は使ったことはない。

岡田メカからのアドヴァイスで、オイルの粘度を上げてみたら(ガレージでの交換は10Wだった)というものがあったので、オイル交換のいいタイミングでもあったので、まずはそれを試してみることにした。


空冷ワーゲンのオイルのトレンドというものもあるのでしょうか?

「ガレージ」が欲しい。

T-3ヴァナゴンもそろそろ「本格的」旧車の部類に入ってくるのだろうが、僕にとっては実用車でもある。同じ世代のスポーツカーよりも過酷に扱われていると思う。せめて使わないときくらい屋根の下に置いてやりたいし、たいしたことが出来るわけでもないのだが、そうしたスペースがあれば天候に関係なく、車をいじることができるだろう。もちろんとても買うことなんて出来ない夢の話である。

ところでそのガレージ、今ブームだそうである。

東京ローカルだとは思うが、TXのニュース番組でそのことを取り上げていた。ガレージの専門誌があることは知っていたが、月刊誌でありながら(公称か実売かは言っていなかったけど)毎月3万部だそうである。これは専門誌にしては結構出ている数だ。3人ほどの「ガレージライフ」を取り上げていたけど、誰も素晴らしいガレージと車をお持ちでした。全員僕よりもずっと若かったけど(苦笑)。

最近は賃貸のガレージハウスまで出始めたそうで、紹介されていたのは入間。9万円/月。うーむ、場所は近いけどとても手は出せませんわ。

明日は雨か…。合羽着てタイヤ交換するか。

さて、オイル交換の話の続き。

現在のところの指定銘柄は、motulの300V、10W-40、クロノというものだ。これは前回のオイルがにじみを生じやすいということを受けて、ファントムガレージでも使い始めたものだ。空冷ワーゲンでもよく使う銘柄だそうだ。

Motulのホームページを見てみると、いわゆる取扱店というものが非常に少ない。

今回はオイル交換だけにしようと思っていたので、上抜きでいいかと(下抜きが嫌な理由はこちら。もちろん、スキルがあれば下抜きの方がいいのですが)量販店に行こうと思っていたのだが、在庫状況をちょっと調べてからの方がよさそうだ。

ちょっと走るところもあるが、家からは全国展開しているほとんどの量販店に行けるので、まずは電話で聞いてみることにした。

オレンジ色の看板A

「motulですか?少々お待ちください」しばらく経ってオイル担当者?に替わった。「申し訳ないんですけど、今在庫はないですね。こちらからもオーダー出しているんですけどね、輸入ものですし、もう2年くらい待っているんですよ」。ってホントかオイ!?

黄色い看板A

こちらは男の人。「えーっと、お取り寄せになりますね」。この店、取り扱い商品としては結構幅があるところなのだが、僕が欲しいと思うのはたいてい「取り寄せ」になってしまうのだ。

黄色と緑の看板Y

車屋というよりもどこかのテレフォンセンターのような受け答えの女性(もちろん、ちゃんと応対教育を受けているんだな、という良い意味で使っています)が出たが、「は?ホチュル?」ガクッ。「モ・チュールです」「少々お待ちください」。結構待たされ、「申し訳ありませんが置いていません」、とのこと。

青い看板A

「motulですね、商品名は何になりますでしょう?」お、これは脈あり?「300V、クロノです」と言うと、少々お待ちください問いって保留音になった。しばらく待ったあと、「はい、ございます。2L単位になってしまうのですが、明日までなら2980円になります」。お!あったか!でも明日まで?「在庫はあるんですよね?」と僕。「それは大丈夫です」と店員。「了解しました、それでは週末に行きますね」と言って電話を切った。

職業柄、電話応対というものが非常に気になってしまうのだが、その評価をここでしても仕方ないので(笑)、在庫があり、ヴァナゴンのオイル交換も一応やったことがあるこの青い看板Aに行くことにした。

しかしオイルを探すだけでこれだけ大変。


この店では2回目となるオイル交換をする我がT3。

今日はようやくスタッドレスタイヤをノーマルタイヤに戻したのだが、これまた一筋縄ではいかなかった。もう2度とあのショップには行かねえ、というこのお話はまた後日。

予想外の時間がかかったタイヤ交換のために遅刻でUさんとお会いして、そのままかみさんの友達のところまで届け物をした。その帰りにブルーのカラベルと遭遇。

さて、そうこうしている間にもタペットの音はどんどん大きくなり、ついには、まるでエンジンの中にキツツキがいるような状態になってしまった。中からそのうちに飛び出してきそうだ(苦笑)。

あ、そうだ。ちなみにこのあたりの話は3月上旬のことですので、念のため。

岡田メカに対処法を聞くと、まずオイルを硬めにした方がいいというので、オイル交換をすることになったわけだが、ちょっと急いだ方が良さそうだ。

その青い色の看板の店は、夜10:00まで営業しているのがありがたい。仕事を調整して早めに帰宅して、車を走らせた。

店に着いたのは9:30を回っていたが、店の人は交換OKだという。閉店が10:00ではなく、オーダーストップが10:00なのだ。これは助かる。

時間もなかったので店員に直接Motulの場所を聞く。値段は3,980円/2Lとなっていた。ヴァナゴンのオイル交換は、フィルター交換無しで4L必要である。2缶でほとんど8,000円だ。

「うーむ」。時間がないのに腕組みしてしまった。

10Wも15Wも同じ値段。時間だけが過ぎていく。

えーい、今回は遠征も控えているんだし、いいオイル奢っちゃうか!!

というわけで、今はMotulの10Wが入っているので、15Wの方にしてみた。

2缶抱えてレジに行くと、ピットに車をまわすから鍵を貸して欲しいという。ちょっと迷ったが、やはり「自分でまわしますよ」と言い、ピットに入庫した。

オイルのメンテ口はやはりわからないというので、ナンバーをあけて場所を教えてやる。そうだよね、T3ヴァナゴンなんかまず入ってこないよねえ。

交換している間、オイルの棚を見るとRedLineやSunocoなども並んでおり、結構マニアックな品揃えだ。

30分ほど待って交換が終了したというのでピットに車を取りにいく。オイルの汚れを確認したいといったら捨ててしまったという。うーむ、最後が残念。

そして単にオイル交換するだけではなく、リフターにオイルが行き渡るようにしなくてはならない。

そのために、エンジンの回転数を2000rpm~3500rpmの間で回して見てくださいとのこと。スロットルを開閉することによって一番油圧が上がるそうだ。リフターが正常であれば、これのエア噛みが無くなって音も収まるだろうということ。

収まらない場合は…「リフターが限界かも知れません」。

うーむ、OHのとき(2005年4月6日の日記以降)は清掃だけで済ませたのだが、この部品も交換の方が良かったのかもしれない。

「長い車で10分程度繰り返さなければ治まらない事が多い」とのことなのだが、さて、果たして音は無くなるか?!


伊豆松崎港のほど近くにあるピア101というキャンプ場の母屋で見つけた写真。奥にT3ヴァナゴンがいる??

さてオイル交換を終えて家まで帰るのに、アクセルのレスポンスは若干良くなったように感じるものの、30分ほど走らせたがほとんど変化なし。

続いてその週末は京葉道路を東に向かい、3000rpmあたりで30分くらい回していたからそれなりに油圧はかかっていたと思うのだが、音は収束しなかった。

岡田メカに聞いてみると、連続ではあまり効果はなく、回転数を上下させるようなアクションが必要だとのこと。それも10分くらい必要な場合もあるということだ。これも試してみたが効果は出ていないように感じた(5分くらいでギブアップだったけど)。

こうなると「うーん、リフターがもうだめかもしれませんね」とこと。

マジっすか(泣)。ただリフター交換しても、なぜか今まで劇的な効果が見られたことはないとのこと。結局はこまめな調整が必要らしい。

ただリフターの交換のときに、同時に「エキスパンダブル・プッシュロッドチューブ」という部品を入れておくと、いちいちヘッドを外さなくてもリフターの調整が可能となるそうで、それの装着を勧められた。 ちなみにこのパーツはワーゲンのオプションとして純正部品でもあるそうだが、日本でも装着しているT3は極わずかだそうで、今回もvan-caféからの取り寄せとなる。Van-caféのものは、アメリカのサードパーティがつくったもので、純正ではないそうだ。

でも純正のオプションがあったということは、リフターの調整の要はメーカーとしてもあると認めていたということだよね、やっぱ。

タペットのアタリをそのままにしておくと、アジャスタースクリューが潰れてしまうというので、早々の調整が必要となのだが、ファントムガレージには生憎在庫がなく、今持っていっても調整しかできないという。海外へのオーダーをする前に、なんとかリフターの調整だけで持たせたい(という希望的観測)。とにかく四国遠征の途中でファントムガレージに寄り、調整をしてから海を渡ることにした。

必要なパーツは以下の通りだそうです。

Part #: 022.109.309

Title: Lifter – German (Febi)

Price:$17.50

Part #: 025.109.337

Title: Expandable Push Rod Tubes – SEE DESCRIPTION

Price:$26.75

で、片バンク4個で計8個ずつ必要となるそうだ。

うーむ、エンジン関係もまだまだ終わらないのか…。