今出ている「Car Magazine」誌(ネコパブリッシング)の第一特集は「100DORO 2007 100万円でドロ沼に陥る!」とまあ、100万円でこんな車も買えるんですよ、というお話なのだが、その中に83年式のT-3ヴァナゴンが取り上げられていた。買いかどうかは実車を見ていないんでなんとも言えないけど、こうした雑誌に1ページを使って紹介されるということがニュースかな、と。

さて、今回はエンジンとミッションという重要パーツの修理だけではなく、その時は必要だ、と思って買ったものの、走行装置などの重要なところの修理を優先しているうちに、ついついそのままになってしまっているパーツがだんだん溜まってきてしまいました。

最初はストックケースなんぞで収まっていたものが、収まりきれずに自分の部屋などに侵入してきます。自分の部屋だけだったらいいけど(座ったままでどこにでも手が届く4畳の書斎です・笑)、他の部屋まで侵食するという状況になってきたので、この際付けられるものは付けてしまえってことで、大阪まで持っていくことにしました。できるだけ僕が自分で取り付けるつもりではあるんだけど、途中でスタックする可能性もあるので、やはり専門家のいるところで直したいものです。

ダッシュボードトレイ2006年1月22日の日記のときに手に入れたものですが、これ、ずーーーっと本棚の上に置きっぱなしになっていました。ちょっとしたプラン(妄想?)があったからなのですが、とりあえず出来るところまでやってしまおうと思い立ったのです。

VDOの時計:これも2006年8月24日の日記のときに手に入れたもの。理由はそのときに書いてあるのでそちらをご覧くださいー。これのマウントもちょっと考えるところがあった。しかしこの時計への交換作業が、今回の修理で思いもよらぬ事態になってしまうことは、この時には知る由もなかった、なんちゃって(笑)。

スペアタイヤキャリア:T-3ヴァナゴンのスペアタイヤは運転席ー助手席の下あたりにあります。ところが純正のものはアメリカ仕様のヴァナゴンのスペアタイヤをフルサイズでは入れられないのですね(2004年5月23日の日記)。そこでビッグサイズ用のスペアタイヤキャリアがあるというので、それを取り寄せました。サイズのこともあるけれど、エア抜けも良さそうなので。

ホックアップ:これはボディサイドについている清水タンクへの給水口、外部電源の引き込み口、ギャレーへの直接導水口の3点セットです。これらも樹脂製のパーツのため、かなり劣化が進んでいました。

スカイライトカバー:ポップアップ部にある天窓ですね。その室内側のカバーをつけるベロクロ(いわゆるマジックテープ)が死んでいてくっつかなくなってしまっていたのです。外の光を取り入れるのは好きなので無くてもいいのですが、冬はあったほうがあったかいかなと。

ヘッドライトアジャスター:これも樹脂部分が劣化して割れる定番部品なので取り寄せていたのですが、なんつうか、もう根本的な問題がありますね。

アンテナポール:前回購入したアンテナは、なんと全てが収納できるタイプではなかったのです。屋内駐車場であれば別にいいのでしょうけど、屋外でカバーをかけるとこのデッパリが邪魔なのです。その後全てが収納できるアンテナの存在を知ったので、仕方なくこちらも購入することにしました。このアンテナがまた、意外とてこずるのでした…。

ドアロックノブ:運転席側のドアをロックする・解除する、というノブが壊れてしまっていたのです。いや某所に車検に出したら、ノブのアタマが無くなって帰ってきました。多分簡単に交換できるんだろうけど(笑)。

この間球切れでパトカーに止められた左ヘッドライト

東急ハンズでようやく見つけたチーク材。

この間落札したシフトノブ2006年12月23日の日記で落としたウッド調シフトノブ。あ、そういえば白シンクロの友人は、自分で切り出したウッドのシフトノブをつけていたな。今度写真に撮ってきますね。

そしてもうひとつ、またタペットが沈み出したようでカチャカチャと音を出し始めていた。この調整をしやすくするために「エクスパンションチューブ」を導入したわけだが(2006年5月10日の日記)、さっそくその調整が必要となったわけだ。

そして東急ハンズで買ってきたチーク板(900×100×5と900×100×3)2枚。

などなど、これらの部品を積み込んで大阪に向かうことになる。


一年間使いまくったT-3ヴァナゴン、年の最後くらいキレイにしておこうと思って洗車を始めたら、これが終わらない。外装を洗ったり、ちょっとダッシュボードをいじっただけで日没を迎えてしまった。なにせ図体がでかいだけ、ワックスをかけるのにも相当な時間を要してしまうのだ。

さて、序章の段階で既に長編化の兆しがしてきた今回のファントムガレージでの修理・整備、ようやく本編に突入である。

名神高速道路の養老SAで夜を明かして、京都南ICで高速を降りて国道1号を南下、県道に入って交野を目指すのはいつもの道。ガレージについたのは、10:00を少し回ったところだった。

冬は日が低い。弱い日差しがガレージに差し込んでいた。いよいよ冬の陣のスタートだ。

ガレージの中にはすでに4台のヴァナゴン・カラベルで満席。外にはカラベル、シンクロ、トランスポーターが並ぶ。相変わらずのレアな風景だ。でも車を知らない人が見たらポンコツが並んでいるだけに見えるんだろうなあ。今回はガレージに入りきれないため、外での作業となった。

京都に近いこのガレージは、夏はものすごく暑く冬はこれまたものすごく冷えるので(岡田メカの苦労がしのばれます)、防寒対策は冬の海のカヤッキング並にして、家から持ちこんだ工具や素材をガレージの端に置かせてもらう。

整備に入る前にメニューを出して打ち合わせを行う。一通り確認すると、「何にもなければ今回は早く終わるね」と岡田メカ。そう、何にもなければ(笑)。しかし過去の経験では「何にもなかったこと」は一度もないことはご存知の通り。

岡田メカはまずは時間がかかりそうなアイドリング調整から入ることになった。そして僕は、理想のダッシュボード作りからである。


これがそのアイドルスタビライザーコントロールユニット。新品だと265ドル

到着後、まずは最も難題であることが予想されたアイドリング不調の調整から入ります。ヴァナゴンのアイドル調整は、僕の車では考えうるところはほとんど終了しており、「あとはコンピューター交換くらいしかなんじゃないか?」というような状況になっているのです。

というわけで、そのコンピューターを重点的にチェックします。

↑てっきりエレクトロニック・コントロール・ユニット(俗に言うECU)だと思っていたのですが、ある方より「アイドルスタビライザーコントロールユニットですよ」というありがたいご指摘を受けました。ありがとうございますm(__)m。訂正させていただきます。
でもファントムの修理例でもまだこれが決定的に悪かったという例はひとつしかなかったとか。ただ電子部品である以上、寿命は必ず来ますよね。

異常は見つからなかった。逆に言えば、どれも怪しいと言えなくもないわけだけど。とりあえずこれが絶対に悪い、という状況ではありませんでした。というわけでまたも迷宮入り。あと残された方法は…「ガソリンの水抜き剤を入れてみましょう」と岡田メカ。

は?あの一本200円くらいで売っているあれですか?と聞いてみる。「そう」。冬はタンク内が結露することもあり、ガソリンに水が混入することによってアイドリングが乱れることがままあるそうだ。キャブレター車に乗っているときは、それが顕著にあったと岡田メカ。

うーむ、多分これは基本中の基本なんだろうけど、一応我がヴァナゴンについては初事例。帰ってきてから水抜き剤を入れて2回目となるが、確かにアイドリングが落ち付くまでに前ほど時間がかからなくはなった。しかし未だ完全ではないので、もうしばらく続けてみることにしよう。


新たな銘柄はWAKOSタイプAE。

そしてお次はATF。時間をかけてATFをミッションから落としておかないと、かなりの旧いATFがミッションに残ってしまうことになります。

デキシロンⅡ指定車用ATFというやつで、カタログを見てみると長期間安定した性能を維持するとか。

ATF(オートマチックフールド)については、自分で入れ替える機械は持っていないし、WAKOSのたっか~い「SKILL AT」なる添加剤を入れていたので、次ぎのチャンスに入れ替えようということでそのままになっていたのですね。ということで、今回交換してみました。

そしてその効果、あくまで体感ベースですが、エンジンの回転に対するくいつきは結構良くなったように思います。加速感が違うんですね。そして入れ替えた当初はシフトショックも少なくなり、なかなかよい感じでした。

ただ年初の長野+東海一周を終えてみると、どうもシフトショックは前のフィーリングに戻ってしまったような感じです。まあそろそろOHというモノを引っ張り続けているので仕方ないと言えばそうなんですけどね…。

ATFには規格があることは以前書きましたが、T-3ヴァナゴンには「デキシロンⅡ」という規格のもの以外は入れないほうがいい、と僕は思います。今やD-Ⅱは少数派だけど、違う規格のものを入れて良くなったという話しは聞いたことがないのです。逆にそういう例があったら教えてくださいませ。

予備で車に載せておいたATFは、パワステフールドに回します(今の車はパワステにはパワステ用のフールドがあるけれど、このT-3ヴァナゴンはATFを使うのです)