GWに追加修理のため、ファントムガレージを訪ねる。

それから約1週間は何も連絡はなかった。これはきっと順調にいっているに違いない、と思い込み、次からようやく内装のリファインに入れるかな~と勝手な想像を巡らしていた。

ところが、ある日の明け方に来たメールには衝撃の事実が書かれていたのであった。

「スタッドボルト*を抜こうとしたところ、一本が接着剤で固められてしまっていて、どうしても抜けない。ケースを割らないとなんとも言えないし、割ったところで直せるかどうかわからない」 ・・・というのだ。

*スタッドボルト=ネジ山だけのボルトのことだが、このエンジンでは本体とヘッド部を締め付けているスチール製のボルト。この水冷水平対抗エンジンでは常に水に漬っているため、錆が出やすく折れてしまうこともあるために鬼門となる。最近ではクーラント管理をしっかりやっていれば問題ないとも言われている(つまり管理がしっかりされていない場合は、ヤバイ状態となっている可能性も高いということだ)。
・・・と聞いたのですが、間違っていたら教えてくんなまし(笑)。

この事実に、めまいがした。

つまりこの一週間は抜けないスタッドボルトとの格闘の時間だったわけである。
そういえば、前のオーナーと会ったときにスタッドボルトが一本折れて直したと言っていたが、まさか接着剤で固着させるとは誰が思うだろう。プラモデルじゃないっつうに。その直し方というのはまったく常識では考えられない方法だったのだ。

引き取りに行ったときに撮影した問題の部分。岡田メカ曰く「JBウェルドのような接着剤で固めていますね」とのこと。歯医者のようにリューターを当ててみたが、削れども削れども外れそうになかったということである。

岡田メカはさらに続ける。
「キャップボルトの上部分が飛んで無くなっていたので嫌な予感はしていたのですが、最悪の状態です。 ・・・費用も大幅にアップせざるを得ない状況です」

結論から言えば、他にエンジンを見つけてそちらをオーバーホールして乗せ換えた方がいい、ということだ。

めまい×2がした。

ブレーキも素人修理でむちゃくちゃな状態であったが(2004年7月10日の記事)、まさかエンジンにまでこんな「仕掛け」をやってくれているとは夢にも思わなかった。前のオーナーは恐らくそれなりの知識もあったのだろうが、場当たり的な修理が結果的に車を殺してしまったのである。

そして、それでもヴァナゴンは走ってしまうという車というところが素晴らしくもあり、悲しくもある。

入手は結果的には個人売買であったから見る目がなかったと言えばそれまでになるが、買った店にはわからなかったのかなあ。

「がっかりされたと思いますが、何とか前向きにご検討お願いします」と岡田メカ。

相当の絶望感はあったのだが、なぜかまだ「手放す」という気にはならなかった。
できるだけのことはやってみようと思った。

ところが、異常事態はこれにとどまらなかった。

「左バンクの3、4番ピストンに異物で突いたような傷がいっぱい入っていました。(さらに)バルブも突いて当り面がつぶれていました。ん~考えると大変なエンジンかも知れません?」

めまい×3+怒り を覚える。

ヘッド側はこんなに明確な「跡」までついていた。

こんな状態でおおよそ2tの車体を引っ張っていたのである。まさに走っていることが奇跡だったのだ。

(まだまだ続く衝撃の画像はまた後日)