諸々の事情により出発は土曜日となったので、夕方仮眠を取り、体調を整える。
イグニッションをON位置に回すとガソリンの量が半分を切っていたので、先日買った10L入るガソリンタンクを使って、ガススタンドを二回往復、燃料タンクをほぼ満タンにする。

そして揃えたドリンクと行動食は、助手席側にダンボールを置いて、その中に探さず取れるように配置する。カヤックと違うところは、なるべく「噛む」という動作が必要なものを揃える。眠気覚ましのためだ。
そして、ダッシュボードに置くipod-miniにはこれまた眠気覚ましとなりそうな曲を新たに仕込んでおいた。

出発前、岡田メカに連絡を入れる。
何かあったら連絡をくれと言ってくれたが、深夜に電話するのは流石に気が引ける。

夜10:00、車のシートに身を沈め、エンジンのイグニッションを回す。
「かかれ!」
キュルルルブロンドロドロドロドロ・・・
先日のゴタゴタがうそのように力強い排気音を響かせている。

しばらくのアイドリングのあと、家の前の路地から新青梅街道に出てアクセルを踏み込む。次の信号で止まると、後ろからガラララララ・・・という嫌な音が響いてきた。
「やばい、オルタネーターだ」
早くも悲鳴をあげ始めたか。大阪まで持つのだろうか。持たせるしかあるまい。

しかし例のごとく走っているうちに異音は消え、東名高速には順調にたどり着いた。横浜青葉ICから本線に合流すると、あとはアクセルを踏み続けるだけだ(オートクルーズは故障しているのです・泣)。

順調に東名を飛ばしていく。といっても、一番左の車線を90kmほどの速度だが。途中横浜付近で追い越し車線をかっとんでいくT3Westyがあった。こちらの気づいた様子もないのでそのまま見送ったが。
緊張しているからかさほどトイレに行きたいと思わない。PAでトイレの前につけて、エンジンをかけっぱなしにして用を足す。

名古屋を越えたあたりでガソリンが無くなって来た。うーん、いよいよ給油か。と漠然とSAに滑り込み、朦朧としていたアタマは、車をそのままガススタンドに直行させ、給油口のロックを外すためにエンジンを切ってしまった。
「しまったあああ!」
と思えど時すでに遅し。あとは再スタートができるよう祈るだけである。
「満タン入りました!」
という声を聞き、キーを返してもらってエンジンをかける。緊張の一瞬。

キュルルルブロンドロドロドロドロ・・・
「よし、かかった!」
これは僕の方もそろそろ危ないかな、と思い多賀SAまで走らせてここで仮眠を取ることにした。まあここまでくれば、もし次にかからなくてもまあなんとかなるだろう。

翌日、暑さで目を覚まし、京都南ICで降りて国道1号を南下する。
1号から県道に入って地図どおりに車を進ませる。エンジンは快調。オルタネータからの異音もしない。
そして川を渡ったら左折と…あれ?行き止まりじゃん。迷ったかな?

岡田メカに電話を入れる。
「無事につきましたー。でも道に迷ったみたいです」
聞くと次の四つ角を左折ということだった。川にぶつかったら橋を渡らずに右折。つきあたりが新社屋だそう。
倉庫のようなその建物には看板こそなかったが、どっかで見覚えがあるブルーメタリックのT3と、茶カラベルが止まっていたのですぐにわかった。
シャッターは下りてまだ人の気配がない。うーむ、ちょっと早かったか。

Westyのガスストーブで湯を沸かし、カップラーメンを作った。それをすすっているところで軽バンに乗った岡田メカがやってきた。
「無事に着きましたか!」と岡田メカ。
はい、なんとか着きました。

緊張の大阪ロングはこれにて終了。岡田メカにバトンタッチだ。