牛窓で「カヌーライフ」誌の取材を終えた後、急いで岡山に向かった。今度は「Voxx」誌に掲載する車の取材をするためだ。前号ではレアモノ「デヘラー」を取材させてもらったが、今度はまったくの国産実用車である。岡山県庁のすぐ近くにある「アセンテ」というショップの、大山さんという方が所有するハイエースである。しかし同じカヌー乗りとして、なるほどと思える改造がしてあった。
しかし撮影に適している河原が、車で5分程度のところにあるのが羨ましい。
怒涛のように撮影して、岡山駅で新幹線「のぞみ」に飛び乗り、新大阪についたのが17時ちょい過ぎ。散財してしまったが(乗車券だけのほぼ倍だし)、なんとか日があるうちにファントムガレージにたどり着いた。
駅にはマルーンのT-3Westyが停まっていた。近づいて見ればやはり岡田メカ。
「へー、これはどなたのですか?」と尋ねると、「ファントム4号だよ」と岡田メカ。え~?!1号は?「あれはもうエンジンバラさないとダメだなあ」という。で、当然バラす時間もないそうだ。
車を受け取ったらすぐに東京に戻るつもりなので、店への車中で症状を聞く。
まずはハンチングについて。
「ハンチングとは大げさ」ということで、「回転の落ちがよくない状況」訂正ということに訂正させていただきます(^^;。といっても調子が良くないことは変わりはないわけですが。
アイドリングの不調に関しては、今までセンサー類の交換や調整など、それまで原因と考えられることはすべて直してきたので、かなりレアなことが原因になってそうなのだが、前回のときには、プラグコードから電気がリークしているという超基本的な原因だったりしたから気が抜けない。
「ジエッタのバルブが悪さしていたなんてことはありませんか?」と聞くと、他の車に換装して調べてみたけど異常はなかったという。このあたり、一度に数台のT-3を見ているショップならでこそできることである。
で、つきつめた原因がこれ。
アイドルコントロールバルブの断線にあったそうです・・・。なんでもハーネスの硬化が大分進んでいるそうで。うーむ、このあたりも危惧していたところだ。配線をひきなおししたらいったい幾らかかるんだろう・・・。
「ただ未だ完全じゃないんです」と岡田メカ。未だ時々アイドリングが落ちきらないことがあるそうだ。ECUも疑ってみたが、この断線を直したところアイドリングはほぼ落ち着いたというので、とりあえずは良しとしたとのこと。
弾力がなくなってぽっきりと折れてしまっていた。(写真提供:ファントムガレージ)
根本的な原因については今の段階では不明。またまた持ち越し様子見となった。もっとも以前はまったくアイドリングが不安定であったし、現在は以前のように派手に回転数が上下することもなくなった。アイドルアップもする。
アイドリング調整はなかなか難しいようで、新車時からアイドルが不安定なT-3もあったとのことだ。
先週末は「Y’S CUP」第2戦を観戦しに筑波サーキットまで行ってきました。昨年は僕ら家族だけだったのですが、お仲間が増えました(笑)。前回一緒に行ったO本さんのカラベル、そして今回初めてのO原さんのレアな角目4灯カラベルです。ここでもT-3は少数派ですが、かみさんが言うには、何人か立ち止まって観察していったとのことでした。
さて、岡田メカの手で再調整を終えた我がフォルクスワーゲンT-3Vanagonウェストファリアにご対面となった。残っていた左バンクのリフター、アジャスタブルスクリューの交換とエクスパンダブルチューブへの換装はどうだったのだろう。
オイルパンの上に並べられたプッシュロッドチューブ、リフター、アジャスタブルスクリューなど。まるで手術の後に取り出された臓器のようだ。
アジャスタブルスクリューは2つほど頭が潰れていたとのこと。リフターの交換でもうこうはならないと思うのだが、岡田メカによるとリフターそのものが、従来ものからモデルチェンジしているみたいとのことなので、またまたテストケースになってしまう(笑)。一応純正ということなのだが、オールドカーでもアフターパーツに仕様変更もあるんですかね。
「音は完全には消えきっていないけど、オイルの調整をしながら走っていればそのうち消えるから」と岡田メカ。前回の右バンクの時も、交換後に頻繁にオイルチェックをしながら走り、結果的に音がなくなるまで約1ヶ月くらいかかっているから、しばらく様子見だ。「まあ、エクスパンダブルチューブにしておけばリフターの調整も楽だから」。ということだが、僕はその方法はわからないので、大阪に来る都度の調整となるだろうか。
そしてリアヒーターコアの交換。水を通しただけでハゲしく漏れましたからねえ。
これは定番トラブルだけあって、問題なく交換完了とのこと。
さらに点いたり消えたりと不安定だった左後方マーカー&ポジションランプ。接触不良は確かなのだ、どこが接触不良なのかわからなかったのだ。
岡田メカが見つけたのはここ。ハーネスの断線も疑ってOさんから予備をいただいていたのだが、結論としてはコネクターの接続不良だった。(写真提供:ファントムガレージ)
ヒッチメンバーをつけたときにいじったのか、「普通はこのコネクターを外すなんていうことはないんですけどねえ」と岡田メカ。そう、普通じゃないイジられ方をされているのが我がヴァナゴンなのである。
そしてA/C。今年の夏も暑くなる?誰も信じていないと思われる気象庁の長期予報だが、既に夏日を記録している状況で、今年もA/Cは酷使すると思われる。昨年、コンプレッサーも含めて相当修理した我がヴァナゴンなのだが、未だ若干問題があるようだ。
懸案となっていたエキスパンションバルブの交換。エアコンガスのR134は、R25に比べて圧が高くなるので漏れやすいが、さほど減っていなかったということで、「これで大分効きが良くなると思いますよ」とのこと。
よし、これで以上だな。東京まで走るぞ!
と我が愛機の後方に回ったら思い出してしまったのであった。