先日の取材でシーカヤックを借りたホリデークラフトというシーカヤックビルダーの人が言っていたのだが、カヌーの試乗会を山中湖でやったそうだが、それは音楽イベントの付録みたいな感じで設定されたそうで、それほど人なんかこないだろう、とたかをくくっていたらなんと長蛇の列ができたそうだ。なんでも、妻夫木聡というタレントがカヤックをやっているCMがあるそうで、どうもそのせいらしいということ。かつて趣味はバス釣りと言ったいわゆる「キムタク効果」で、にわかに賑わったバスフィッシング業界のことを思い出した。
さて、今年の夏もまた暑かった。夏を過ぎてもなお暑かった。
中国地方一周の旅の途中で、とにかく思ったのは「こりゃあエンジンの温度をもっと下げる必要があるなあ」ということであった。
ACのスイッチを入れた状態での長い上り坂では、ラジエターやスペアタイヤカバーを交換して冷却効果を上げたとしても、風が強く当たらない状況では、さほど放熱されないようで、ぐんぐんと水温が上昇していった。Oさんにそのことを話すと、この車は油温もすぐに高温になってしまうとのこと。油温が110度を超えると粘度が低下してエンジンオイルの機能を果たさなくなるという。
やはり強制的に放熱するような仕組みを考えないとだめだな。
このブログでも繰り返し書いてきたとおり、空冷からの移行期にあたるこのT-3ヴァナゴンは、空冷水平対抗4気筒という前時代的なエンジンのヘッドのみをウォータージャケットをつけて「水冷」と称し、エンジンレイアウトはリアマウントそのままに、なが~いホースをつけて車の最前部につけたラジエターまで冷却水を回している。しかもその分エンジンルームを小さくして荷室を確保している。
どうもこの車の設計者は冷却性能について余りシビアに考えていなかったように思うのだ。
ヨーロッパと日本の気候は違うし、輸出先であったアメリカとも違う。気候だけでなく、走り方も違う。当然相当な無理がかかっていると見ていいだろう。実際、エンジンの特に樹脂製品の劣化による不調は多い。
そして冷やさなければならないのはエンジンだけではない。ベース車のカラベルと違って※ウェスティは、前席にも冷気を導入する仕組みを作らないとドライバーも参ってしまうし、助手席もしかりである。
というような話をOさんとしていたら、「僕もエンジンの冷却についてはいろいろと考えていました!」ということなので、とりあえず2人でT-3エンジン周り冷却方法検討委員会を立ち上げた。
作戦名:エンジン・キャビンひえひえ大作戦
かくしてT-3ヴァナゴン・カラベルの熱との闘いが始まったのである。来年夏までにこの作戦は効果を収めて終了していなければならぬ。
という決意を元に酒を飲みつつあーだーこーだ話していたら、なぜか腹を壊してしまった。前途多難である。
※カラベルについては、ポップアップルーフが無い分ダクトが運転席まで延びており、きちんとACの整備がされていれば手を入れなくても十分涼しいのである。