下ろしたエンジンを前に岡田メカの解説を聞く

ようやく今週も週末となった。相変わらず終電に近い電車での帰宅が続く。さっさと寝ればいいのだが、どうもこれを更新しないとモヤモヤが残るようになってしまった(苦笑)。

時間さえあれば、田中むねよし氏(「Tipo」誌でロータスエランの、やはり維持格闘漫画を連載中)ばりの漫画にしてみたいところだが、とりあえずは文章と写真でこのブログにぶつけてみることにしよう。なんていっても「格闘記」なんですから。といっても実際に格闘したのは、岡田メカなんですが(苦笑)。

もっともひどかったピストン。表面はもうぐしゃぐしゃだ。

例によって、ということにはなるが、この車に対する僕の楽観的予測はことごとく裏切られる(苦笑)。こんなにタイヘンなことになるとは思っていなかった。
つまりそれまで載せていたエンジンはとんでもないシロモノで、動いていること自体が奇跡のエンジンだったわけである。しかもほとんど人災でそのような状況になってしまったわけであるからやるせない。

正常という基準がなくなってしまった車、T3ヴァナゴン。

ちょこちょこ直してきたはずの修理履歴が一発でふっとんでしまった。自分なりにはそこそこ調子がいいものだと思っていたし、過去のブログにもあるが、整備のプロの方が乗っても特に問題を指摘されることなどなかったのだ(2004年1月31日の記事)。
が、要は誰も「正常な」ヴァナゴンに乗ったことがないために、単純に比較対照ができなかっただけなのであろう。

そしてバルブも何かで突いたように当り面がつぶれていた。

多分今のオーナーさんも、僕も含めてここ数年で購入した人がほとんどなのではないだろうか。つまりアクセルのレスポンスが前よりもよくなれば、それはそのままグレードがあがった、と思ってしまうのであろう。

さてOHの話にもどろう。左バンクの3.4番ピストンに異物で突いたような傷がいっぱい入っていた。

バルブリフターはオイルの浮力を得て動作する。オイルの管理が悪いと詰まって動作が鈍くなる。そして詰まると修理となるが、仕組みを理解していないメカニックがいじると単純にスキマを埋める作業をしてしまうそうだ。ところが、この機構はあるとき突然作動することもあり、そうなると十分なクリアランスが取られていないため、アタマをつぶしてしまう。それがこの様子。

バルブの穴の中間には亀裂が入っていた。

ピストンがこれほど荒れる例も珍しいということで(要は普通に乗っていたらありえない)、岡田メカから以前にヘッドを開けるようなことをしていないかと尋ねられた。

2003年3月にヘッドからの水漏れを修理している(しかも車検直後)、(2003年3月23日の記事)。このときはエンジンを下ろしてガスケット交換をしているので、ヘッドをいじっていることはほぼ間違いないであろう。

そのときの修理内容と部品は以下の通りだ。(請求書からの書き写し。なにせここまで詳しくなる前なので、こう書かれても何がなんだか、という時代であった)

●使用部品:
ガスケットキット
タペットカバーガスケット
砂抜きプラグ
エクゾーストパイプ用ガスケット
ホースバンド
エンジンオイル/パーツクリーナー
ATレバーポジションライト

●修理内容:
A/Cコンプレッサー脱着/ヘッド廻りクーラーホース脱着/インテークマニホールド脱着/へッド脱着オーバーホール/エグゾーストパイプ脱着・ガスケット交換
ヘッド砂抜きプラグ交換
プッシュロッド修正
バルブリフター及びエンジン調整

「A/Cコンプレッサーを取っているので、やはり左バンクの3、4シリンダーですね。・・・プッシュロッドは明日確認してみますが、修正した様な形跡は無い様に思えました。・・・それよりもバルブの頭がへちゃげていました、それもそのまま抜けない様な感じでした、恐らくバルブガイドもダメかも知れません。圧縮が無い状態ですね、普通は洗浄液はバルブがしまっていれば溜まるのですが、すーっと抜けて行きましたから・・・」と岡田メカ。

つまり、請求書にある「ヘッド脱着オーバーホール」は本当にやったのかどうか限りなく怪しいということだ。それともOHからわずか2年でこんな状況になったというのだろうか??

この時点でエンジンを換装するにしても直すにしても、大幅な修理代のアップであることは間違いないことは確定した。正直、当初考えていたお金では足りるはずも無く、資金の調達を考えなければならなくなってしまった・・・。