朝、ツクツクボウシの声を聴くようになった。この特徴的なセミの声を聴くともうお盆。晩夏への序曲である。
さて、お次は中に入れるエアコンガスをどうするか、のお話しである。修理のたびに悩む車というのもまた珍しいのではないか(苦笑)。
T3ヴァナゴン、カラベルのエアコンガスは、R12という規格のものを使用している。これはいわゆるフロンガスで、規制によって1995年に製造は中止されている。現在の車は代替フロンとしてのR134aが使用されているが、それまで生産された車にはR-12が使われてわけで、当然需要としては残ることになる。
需要があるのに生産は中止されたわけだから、価格は当然うなぎのぼり。その当時の車は旧いからガスが抜けることも多く、毎年のようにエアコンガスを注入しなければならないとなると、結構な出費となってしまうのだ。
そのためR12の代替フロンがあるのだが、これの使用については賛否両論がある。これを販売しているショップは当然賛成派だろうし、反対意見を持つ店もある。
ならばR-134aに替えてしまえばいいじゃないか、と言われるかも知れないが、そう簡単に交換できるものじゃないんですね、これが。僕もこの車を持って初めて知りましたが(笑)。
エアコンのコンプレッサーもエアコンガスを循環させるために回転するので、焼きつかないように潤滑油が必要になる。この潤滑油はガスの中に溶け込ませる仕組みになっているが、R-12では鉱物油しか溶け込まず、R134aには化学合成油しか溶けない。つまりガスだけ替えてもオイルが残っている可能性があり、溶け込まないで液化したオイルはエキスパンションバルブみたいに狭いところで詰まったり、コンプレッサーでハンマー現象を起こして壊してしまうこともあるという。(参考にしていたホームページがなくなってしまいましたので、情報の信憑性はなんとも言えません)
では、エアコンのシステムごと交換しなければならないのか、というとそういうわけではなく、詳しいことは専門家でないのでなんとも言えないが、交換用の「レトロフィット」というものが出ており、これを使うことによってR-134aに入れ替えることができるそうだ。
というわけで、ACコンプレッサーの交換はR-134化の千載一遇のチャンス。これまた人生の分かれ道であったりするのだ。
いやいや、今回の件でエアコンの仕組みも勉強することになってしまった(笑)。
パーツ名 A/C R134a Retrofit Kit
$44.95なり。
修理が終わればこれでACは当面大丈夫だろう、と思ったら、R-134aも2010年を目途に生産中止だと言うではないか(悲)。もうちょっと先を見据えた開発はできないものなのだろうか。
エアコンのガスについては、T3ヴァナゴンやカラベルに限らず、10年以上前に生産された旧車ファンにとって悩みのタネとなっているようですね。