流石である。
前回、今年は我がヴァナゴンを旅の友として遠征をやるんだ~という抱負をぶちあげたのだが、早速今日、いきなりトラブってくれた。しかも走行に重大支障が出るところだ。
ラジエーターファンが回らなくなってしまったのである。
つまり、ちょっと渋滞なんかに絡まれようものなら、すぐにオーバーヒートしてしまうということになる。
かみさんの方の実家に向かう途中、Uターンラッシュのあおりのようですさまじい渋滞となっていた。家を出て街道に出たとたん、ほとんどクリープでしか動けず、45分かかるところが2時間を要するような状況だった。しかしこのときは、水温計の針はLEDのところに達するくらいで止まっており、ファンの動きについては特に注意するまでもなかった。
しかし、目的地が近くなるにつれて、オイル警告灯がチラチラと点滅をはじめた。「またか~」と思いつつ、アクセルを踏むととりあえず消えるので、気にかけなかったが、何かの予兆だったのか。
そしてコイン駐車場に入れるとき、窓ガラスの曇りがハゲシイのでデフロスターのスイッチを入れて曇りを飛ばそうとしたのだが、ちょっと異音がしたので止めて(これは前からでキュルキュル鳴るのだが、いつか直さなければと思いつつそのままになっている)、バックギアに入れたとき、ふと水温計の針をみて驚いた!
見る間に水温が上昇していくのである。
「な、なんだ?!」
針が振り切れる前になんとか駐車場に入れてエンジンを切った。
いったい何が起きたのだ?!クーラントが漏れているのか?
下回りを見てみるが、それが漏れている様子は無い。
じゃあタンクはどうなんだろうと、うかつにもリザーブタンクのふたを緩めてしまった。すると・・・。
ドババババ(←ここは2倍角で)と緑色の液体が噴き出した。
「うわあああぁぁぁ~!!!」(←ここ4倍角で)。
慌ててフタを閉める。
「ク、クーラントの吹き返し?!」。
そういえば、そういう症状が出たという報告がクラブでもあったな。
とりあえずかみさんと子供を義父宅まで送り、とりあえずラジエーターファンと表示されている1番のヒューズを確認することにした。
ヒューズボックスを開けて該当のヒューズを取り出そうとしたら、なんと頭の部分がもげてしまった。ヒューズそのものも僕が見たこともない形をしており、所々は現行のタイプに変わっている。うーむ、ヒューズそのものも大分劣化しているのかなあ。
予備ヒューズがあったので、それに替えてエンジンをかけてみる。次第に水温が上昇して行く。針を見つつ祈るように聞き耳を立てるのだが、ファンの回るブーンという音は一向に聞こえてこない。針はついにLEDのところまで来てしまった。普通ならファンが回ってもおかしくない位置だ。
「うーん、ダメか・・・」。
僕が今出来るのは残念ながらここまでである。
これで直らないことがわかったので、あとはオーバーヒートしないように帰ってくるしかない。つまり車が少なくなり、気温が下がる夜中になるべく止まらないようにして帰るしかないということだ。
とりあえず漏れた分のクーラントを補充しなければならない。しかし義父の家は住宅地の只中で周りにカーショップやDIYショップは皆無。ディーラーも休み。仕方ないので新宿のTハンズまで行くことにした。確か車用品も若干ながら扱っていたはずである。
ヒューズボックスを開けてビックリ、今までは気にしたことがなかったんだけど(汗)、よくよく見れば今まで見たことのないタイプのヒューズでした。
休日営業を頼って行ったTハンズ新宿店は車用品売り場を廃止したそうで、かろうじて500mlのクーラントが数本残っているだけだった。過去マイクロロンも購入したこともあり(2005年10月30日の記事)、ニッチパーツに期待をもっていたのだが残念である。値段も量販と比べて高めだし希釈率も普通使わない30%のものだったが、背に腹は替えられないということで4本ばかり購入して帰路についた。
恐る恐るリザーバータンクのキャップを開けてみると、吹き返しは収まったようだが、中はほとんどからのようであった。1Lほど入れていつもと同じくらいのレベルとなった。
夜もふけた頃、そろそろ道も空いてきただろうということで、帰ることにした。駐車場に行ってみると窓ガラスについた水滴が凍っていた。よしよし、これだけ気温が低けりゃ大丈夫だよな。
エンジンをかけると暖気もそこそこにゆっくりと走り出した。
走り出すとすぐに水温計の針は反応し、10分ほど走るとグングンと水温計の針が上がった。うぉーマジかよ~。果たして家まで持つだろうか。
前の車との間に距離をとり、なるべく風を当てるようにする。そして信号にひっかかからないように歩行者用信号にも気を配りながら微妙な速度調整をしていく。
しかし都会では前をあければすぐに割り込まれるし、信号もワザと次の信号にひっかかるようなタイミングにしてあったりするから神経を余計使うことになる。
止まるたびに水温計とにらめっこである。幸いにも警告ランプの上辺りを行ったりきたりの状態だ。
まるでオーバーヒートに気を使うレーシングカーのようだ。そういえば、コブラもオリジナルってファンがついていなくて後から追加したって聞いたことがあるな~、などととりとめも無いことを思う。(コブラと比べんなよって・笑)
緊張の運転を強いられて精神的にヘトヘトになりつつ、なんとか夜中に家に到着した。
先日電球の件でお世話になったばかりの神奈川のSさんから「ラジエターのサーモスイッチがあやしいと思います」というを連絡をいただいた。
明日の午前中は日が出たら原因をチェックしなければ。
しかし、今度は自分の方の実家に年始の挨拶に行く予定が入っていた。うーん、とりあえず予報は晴れだから電車で行くか。
実家での「なんだまた故障したのか?肝心なときに役に立たんな」「この寒いのに(子供たちが)かわいそうだと思わないの?」…という新年の会話が容易に想像できた(苦笑)。
それでT3がヘソを曲げてまた1年修行期間にしてやる、なんて思われてしまったか??
さて、この日は原因究明をする。
まずレジスターに関しては10月に交換したばかりなので(2005年11月19日の記事)、これで壊れたらたまらないのだが、何か破壊的力が加わったかもしれない。
フロントグリルを外して左ヘッドライトユニットの奥にあるレジスターを点検する。まったくキレイなので、これが原因ではなさそうだ。
次にSさんから伺った方法でサーモスイッチの確認と同時に、ラジエターファンモーターそのものが壊れていないかの確認である。
方法は以下の通りだそうです。
・フロントの下側のグリルを取り外す。
・ラジエーターに向かって右側にプラグがねじ込まれてあるのがサーモスイッチ。
・これにつながっているコネクターを外す。
・イグニッションをONにする。
・コネクターには3本の配線がつながっており、この3つの端子のうち2つを、ペーパークリップなどの通電性があるものでつないで反応を見る(ボディなどとはショートさせないこと!)。そして3通りの結果を出す。
・①ファンがハイスピードで回る。②ロースピードで回る。③回らない。という結果が出れば、ファンのモーターは異常なく、サーモスイッチの故障。
で、やってみました。ファンは見事に回り、サーモスイッチの故障の疑いが濃厚になりました。
かといって予備パーツもないし、伺った交換方法は僕にはちょっと難しいレベルなので、グリルなどもとりあえずいったんもとに戻した。
その日の夜、さらにDr.からも詳細なチェック方法をいただいた。
1.Lowが回らなかったのであれば、運転席左下に追加したリレーが抜けている可能性がある。
2.エアコンをONしたときに、コンプレッサーが回っていてラジエターのファンが回らない時は、AC対策リレーで追加したヒューズが切れている可能性がある。
3.Hiが回らなかったのであれば、ラジエターのエア抜きを行う。
うーん、LOWもHIもファンは回ったし、ACは回らなかった。やはりサーモスイッチが死んだのかなあ。
しかしこの状態で大阪まで運転していくのは流石に不安(って考えてみればいつもそうか・笑)。いざとなったら直結させてファンが回るようにする金属クリップを作っておこうか、などととりとめもないことを考えつつ、van caféや、bus depotのサイトを開いて部品を探しつつ、ふと携帯電話を見ると、Dr.からの着信が入っていた。
「ん?なんだろう?」
早速折り返してみると、メールだけだと症状がよくわからないからと、わざわざ電話をかけていただいたのだった。ありがたや~。
一通り症状を説明すると、「それなら僕も同じことがあったから」と、原因を確定する前にもう一回、エア抜きをしてみることになった。僕が思い違いをしていたところもあり、聞いたらすぐにでも試したかったのだが、愛機の置いてある駐車場で、平日の早朝や深夜にエンジンを吹かすのは気が引けるので、週末まで待たざるを得ない。うー。