ここがオイル警告灯。これが点灯・ブザーが鳴音したり、ランプが点滅することが結構あるのです。

海外のT-3ヴァナゴン乗り、もしくはヴァナゴンに興味のある方からお便りをいただいたようです。というのは、残念ながら文字化けしていて読めなかったのです。文字化けを直すというWEBページで一部が読めたのと、添付されていた画像が黄色いヴァナゴンだったので多分そうなのかなあ、と。もしご覧になっているようでしたら、お手数ですが再度メールをいただけますでしょうか。是非海外のヴァナゴン事情などお知らせいただければと思います。

さて、「オイル警告灯」について早速ある方からレスをいただきました。

ありがとうございます。

「3000rpmを越えてから鳴るっているのは珍しいですね」。

はい、僕もその通りだと思います。アクセルを踏んでいるときには基本的には油圧がかかっている「ハズ」の状態だからです。

お便りいただいた方の例では、高速走行等の後SAに入ろうとしたり、IC出口で減速をしたときに症状がよく出たということでした。僕の場合は長い上り坂を登りきる手前でアクセルを緩めたときが、一番よく鳴ってくれました(苦笑)。

「油圧」の「センサー」なのですから、圧がかかっていないときに異常を知らせる役割を持っているわけですが、僕らの場合はそれまで圧があったのに急速にそれが落ちた場合も反応するようになってしまったわけです。

しかし白シンクロの例では、逆に回転が上がっていく=圧が上がっていくのに、なんでセンサーが反応するのだろう、というわけです。僕も同感。

どちらにしてもこのオイル警告灯のトラブルはとても多いようですね。鳴音や点滅の考えられる原因として…、

① オイルプレッシャースイッチの故障か、配線等が劣化している。

② オイルが柔らかすぎるか、粘度が低下している(劣化)

③ オイルフィルターの目詰まり

④ オイルポンプの故障

を挙げていただきました。ありがとうございます。

僕も①、②と+アルファでほぼ同じ可能性を、シンクロの彼に伝えています。

まずとっかかりやすいところで、②のオイルの粘度の問題。ワッサーボクサーエンジンに入れるオイルの粘度については結構気を使わなければならなかったりするのです。

T-3ヴァナゴン/カラベル乗りにとって、オイルやATFなどの潤滑系油脂は永遠の課題だったりするのではないでしょうか。

オイルの硬さ、これはオイルの缶にある5W-50とか15W-50とか言う数字ですね。この数字が大きいほど、いわゆる「硬い」オイルになるわけですが(数字の解説についてはBPのお力を借りましょう)、T-3乗りの聖書のひとつ、ベントレー社のマニュアルを見ると、-10度から30度以上の気温に相当するところでもマルチグレードオイルで20W-50(もしくは40)が推奨となっています。つまり我がT-3は結構硬いオイルを使わなくてはならないのです。その理由はまたオイルについて書くところも出てくると思うので、そのときに。

「T4まいすた~」という貸しピット屋さんで作業

入れたときには硬いオイルでも、劣化すれば粘度は低下します。それで規定の圧にならなくなってしまったということも考えられるわけですね。

というわけで、まずは「15W-50以上の硬いオイルに入れ替えて見る。もちろんフィルターも交換」からスタートでしょうか。

前回のオイルについては、より硬いオイル、例えばBPクラシック20W-60というものを一度入れてみるという手もあります。僕の場合はOH前にこのオイルを入れてみたら、圧縮率も上がったようで、いきなりパワー感が増したということもありました(2004年6月9日の日記)。

ところで余談ですが、一時期、地方の量販店ではほとんど15W-50や20W-60といった硬いオイルを見なくなりました。5Wや10W、ヘタすると0Wなんてのばかり。エンジンが高性能になってオイルの抵抗が邪魔になったのでしょうか。そのため必ず予備のオイルを持つようになりました。

ところが最近は、旧い車がブームなのかそれとも買い換えなくなったから旧い車が増えたのか(車の平均保有年数は既に10年を越えているとか)、結構硬いオイルも見かけるようになってきました。

しかしまあ、原因の①である、オイルプレッシャースイッチの交換が未だ、もしくは交換したかどうかわからない、という方は、もうこのスイッチの交換をした方がよろしいかと思います。オイル交換で鳴らなくなっても一時的なものでしょうから。

そうそうこのパーツ、センサーではなくパーツ名は「スイッチ」になっています。あとで出てきますが、構造はスイッチそのものだと白いシンクロ乗りの当の友人が言っていました。友人からは修理顛末をもらったので後日アップします。

さて、このスイッチですが2種類あるのです。

Part #: 068.919.081A

Title: Oil Pressure Switch – grey .75 – 1.05 bar.

Part #: 056.919.081C
Title: Oil Pressure Switch – light brown .3 bar (Mounts b
.

の二つ (パーツ情報ありがとうござました)。 

最後の数値を見ていただければわかる通り、設定された圧力が違います。要はこれをつけ間違えるとスイッチが入ってしまうわけですね。オーバーホールやプレッシャースイッチをいじるような修理をしたときには要注意です。

しかしながら、どちらにどのように付けるかはプロのメカニックにお任せすることにしたいと思います。基本的に素人ですので、原因究明といってもこの程度でご了承のほどを。

そして追加情報ですが、オイルフィルターも油圧に関係があることを某所で見つけました。もともとこのエンジンの油圧もそれほど高いわけじゃないようです。なるべく頻繁に交換をするのがいいということですが、銘柄もMAN社製がいいそうです。

さて、④については故障だとこれはもう鳴ってもらわなければ困るっちうくらいですね。

あと先になってしまいましたが、このオイル警告灯の反応は2種類あります。

1:警告灯の点灯、ブザー鳴音(最初はこの音にビビリます)

2:警告灯の点滅、ブザーは鳴りません。

2000rpmを境に、下なら2、上なら1になるそうです(オーナーズマニュアルP36 )。確かにエンジン回しているときは音が鳴らないと聞こえないもんね。このあたりは流石は独逸製と思ったのでした。

ところでブザーがウルサイからっていってもコードを切ったりしないようにしてくださいね。もっと深刻なトラブルにつながる可能性があります。T-3ヴァナゴンにとって、オイルは本当に大切なのです。

さて、今回のオイル警告灯について質問をもらった本人から「こうしたら直ったよ」という連絡をもらいました。解法のひとつですね。

<症状>

・高速走行時にブザーとランプ点滅、数回で治まる。(オイル量OK,オーバーヒート無し)

・登坂時にも同様の事があるが、それ以外はたまに鳴るだけ。

<治療1回目>

スイッチが寿命と考えてオイルプレッシャースイッチを交換

<結果>

ところが今度は殆ど鳴りっぱなしになってしまう。(4000回転以下でも鳴る)

<治療2>

オイルを10W-30から15W-50に変更。

(Golfなんかも軽い粘度で鳴ることがあるとのこと)

<結果2>

症状がさらに悪化。今度は3000回転以下で鳴りっぱなしになる。

<仮説・検証>

センサーだけじゃなくてエンジン本体にも問題がある? そこでパーツ屋にパーツ間違いだったのではないかと再確認する。

検証したところ、バナゴン用のセンサーは設定が2つある事が判明、年式、バナゴンは同じでも、車体番号等で違うらしい。

<治療3>

センサー再交換。

<結果3>

再発せず。原因はスイッチの寿命および柔らかいオイルにありと結論。

そしてスイッチの故障の原因は中に入っているバネが弱まった為であった。

(構造は単純で、設定されたバネの弾力以下になると回路が働きブザーが鳴るという本当に単なるスイッチだった。これで基本的には圧低下に反応するわけだ)

もう一つ付いているスイッチは問題なかったが、念のため交換した。

オイルプレッシャースイッチってどんなの?というところで、Vancafeさんのサイトから。こんなのです。写真を撮る機会ができましたらこちらにアップします。

この週末はここのところ欠かさず観戦に行っていたY’S CUP、カヌーフィールドの取材のために行けませんでした。せっかく主催者の佐藤さんや公式ビデオを制作しているNOBさんからお誘いいただいていたのですが、申し訳ありません。僕としても残念。次回は重ならないようにやりくりします~。

さて、予想通り長くなってしまったオイル警告灯の件。総括はご存知ファントムガレージの岡田メカから。

(シンクロの彼の原因は)、結局はリヤのプレッシャースイッチの不良と言えるでしょう。交換後したのはいいけれど、おそらく間違えてサイドのスイッチが来てしまい、それに交換してしまったのですね。

(よほどオイルが減っていない限り)、油圧が原因で鳴ることはまず無く、ほとんどがスイッチ不良です。

エンジンオイルも化学合成(いわゆるシンセティック)などを使うと、ヒートぎみになれば点滅する場合が有りますね(これは僕の例でもありました)。でも、30万キロ近く走っている車でも、鉱物性の硬いオイルを使うと治まる例もあったので、規定の硬さと量のオイルを使っている限り、余程で無い限りスイッチ不良以外で鳴音することは無いように思います、とのこと。

そして2.1Lエンジンの場合は、問題となるセンサーは3つ。サイドの低圧側が2種類、リアが一種類。サイドとリアを間違うと、鳴ってしまうそうです。

つまり原因はスイッチ(センサー)の寿命、で、交換の時には部品を間違えないように、というところでしょうか。

続いてカラーキングの川瀬氏からも興味深い情報をいただきました。

オイルプレッシャースイッチは、0.25 バール(樹脂部がブルー)と 0.9 バール(同じくグレー)の2種類のスイッチが使われているのが標準だと思いますが、標準外として 1.4 バールと 1.8 バールもバナゴン用の純正リストに出てきますのでそれらが付いている事もあるかと思います、とのこと。川瀬氏の予想では、「おそらく使う地域のオイル粘度に合わせてスイッチの設定も変わってくるのではないか」ということだ。

また、アメリカでは空冷用のオイルプレッシャースイッチ(0.15~0.45バール)がついていた個体もあったそうだが、空冷用はネジ径とピッチは同じように見えるものの、ネジ部が短く、テーパー状になっており、エンジンケース側のネジ山を傷める恐れがあるのではないかということ。やはり純正品が原則でしょうか。

というわけで、オイル警告灯のところはとりあえず終わりにしたいと思います。

2006/11/11 追記

カラーキングの川瀬氏から、「何をやってもランプとブザーが止まらない」という問合せがあり、原因をアレコレ探ってみたところ、メーターパネル内にあるプリント配線がしてある「Dinamic oil pressure warning system 」という部品の不良が原因だったそうです。

新たな原因発見ですね!

そういえば、カラーキングに行った時に見せてくれたブレーキパイプだったかな。どちらかが純正品でどちらかがサードパーティが作ったもの。違うんですよね、やっぱり。