今回は少々大工仕事をするつもりなので、家にある工具一式と部材、そして向こうで動くために自転車まで積み込んでの出発となった。
いつも通りオイルとクーラントの量をチェック。双方とも僕の基準からすると若干少なかったが、今回交換するのでとりあえずそのまま出ることにする。
しかし、ETCカードを入れても「ETCカードを確認しました」という人工音声が流れない。最初はカードのせいかと思って、向きを確認して入れてみたりしたけど変わらない。エンジンをいったん切って、キーをONの位置にしてみる。
・・・ETCが作動しない。
うーむ、これは困ったぞ。ETC無しで行くことも考えたが、結構な値段になってしまうのだ。
原因は(1)ETC本体が故障した、(2)ETCまで電気が来ていない、のどちらかかな。
とりあえずまずは電気の方を疑ってみる。子供がいじるとしたらこの機械から伸びているコードだろう、ということで、ちょっとグネグネしてみたが変化なし。ふとここで、ルームランプが点いていないことに気がついた。
もしかして…。
ヒューズボックスをあけて、ルームランプのヒューズを見てみたら、案の定とんでいた。あらま、いったいどんな負荷がかかったんだ?
20Aのヒューズを交換して、エンジンキーをONの位置に持っていったら見事に復活。意外なところに意外な配線になっているんだな。(後で普通はそんなところの電源使わないよ、って言われたけど)というわけで、出発はほとんど土曜になってしまった。これはどんなに早くても昼過ぎになっちゃうだろうなあ。
のっけからまた波乱のスタートである。
数時間高速で走って、SAに入るとアイドリングが1000rpmを超え、さらにハンチングまで起こる。ずっとこんな症状が続いているので、これの修理もまた今回の課題だ。しかしアイドリングについては、なっかなか根本的な治療ができない(それは僕の個体に関わらず)というのが実情。その課題をクリアするべく、ある部品を持っていくわけだが効果はいかに。
翌朝出発すると、出口付近の駐車エリアは仮眠のための駐車エリアのようなつくりになっていた。こういう所が増えると嬉しい。が、夜は気がつかなかった。メモっておこう。途中ほとんど渋滞に合わず、京都南ICを降りたのは昼の12:00。こうなるとどうしようかと迷うのが昼飯である。うーむ、とりあえずファントムまで行くか。カーナビをつけるといつもファントムに向かう道と違うルートを示している。うーむ、おかしい。「一般道優先」でリルートをしたらいつも行く道になった。しかも到着時間は3分遅くなっただけ。一般道優先をデフォルトにできないのかな。
で、ファントムに到着するとシャッター閉まっているし(泣)。電話すると今昼飯を食べているという。えーっ、マジー?というわけで、仕方なく持ってきた自転車の出番。近くのコンビニに行って昼飯…ほとんど無いじゃん!!
なんかついていないぞ、今回は。大丈夫だろうなあ…。
見覚えのあるバイクがあるなあ、と思っていたら、果たしてDr.であった。前回のファントム修理に続いて偶然偶然。いろいろ伺いたいことがあったので、ラッキーラッキー。今回の修理は燃料タンクを下ろしたりすることになるので、基地までは行けないなあ、ということで迷惑をかけるのも申し訳ないので、連絡しないでおいたのであった。
まずはオイル交換。普通オイル交換くらいは自分でやっているのですが、今回はファントムで使っているオイルを使いたかったわけですね。
それはモチュールの1100という半合成グレード。400や4100はとても高くて続けて使うことはかなり厳しいんだけど、これは4Lもしくは1L単位ではこちらでは見つけることができなかったグレード。かといってペール缶で買うほどでもないし。空冷には実績のあるMotulも結構お高いのでなかなか使えない。置いてあるところ自体も少ないし。
今回はオイルの銘柄を変えるので、オイルフィルターも交換。そしてドレンボルトとワッシャーも交換することにした。ドレンボルトは結構傷が入っていたんだよね。
そしてお次はいよいよ不安定なアイドリングの収束に挑戦である。なんかもう永遠のテーマっちうくらいになりつつあるな。
まずはプラグコード。
これは永井電子のウルトラというものに換えていた。チューンナップにおける定番ツールだけれど、皮膜がシリコン製ということもあり、それなりに丁寧な扱いが要求される。度重なる修理などでどうも傷が入ってしまったようで、リークがはじまっていたのだ。以前からたまに回転がドロップするので、岡田メカに確認をお願いしていたのだがリークが見つかったという。応急的に修理してはもらったが、修理は修理。交換しておいた方がいいだろうと言われていた。
今回は一度ノーマルに戻してみようと思って、T-3ユーザーご用達のショップ、「Van-café」で扱うボッシュのオリジナル品を取り寄せた。
これの皮膜もシリコンらしいが、ここで扱うプラグコードは2種類あって、いわゆる安価な方は経年劣化が激しいらしい。
オリジナル時代に戻ったようなエンジンルーム。でも中身は違うぜ!
そしてスロットル。
これは僕の車の調整ネジがガタガタになっていたとのこと。必要以上にいじっていたのではないか、ということだ。周囲のパーツは取り寄せ、スロットル本体はある人に売ってもらった中古品で代用する。ちょっとドキドキだったが、まあ使えるだろうということで交換。下側のカバーは外れてしまっている車が多いとのこと。買ったものはまだついていた。
そしてサーモスタット。
以前、ノーマルと温度を変えて80 degreeを使用していたが、ノーマルの87 degree の方がアイドルは安定する、との情報を得て交換してみることにした。
そしてラジエターを通った温風が効率よく周るための整流版。
以前スペアタイヤハウスを交換したときに、劣化して落ちてしまったのである。
0.8mmのアルミ板を切り出して加工。エッジはアルミテープを巻いておいた。
「オートメカニック」誌でアルミ板を使う方法が紹介されていたのだ。
ほぼ車の全長と同じ長さのクーラントパイプ。こんなに色が変わってしまうのだ。変わるのは色だけではない。
いよいよクーリング強化作戦に入っていく。
2007年11月29日の日記で、クーラントの通り道はほとんど交換・修理が済んだ、と思っていたのは僕の思い違いで、ファントムガレージにおける初期オーバーホール組は水道まで手が回らなかったらしい。ましてオレの車は走ること自体が奇跡だったし、当面使えるようなパーツはそのままにして欲しい、と言わざるを得なかったのだ。
樹脂製でパイプとの接続部分に補強のための金属が入っている。
長い間にこの樹脂部分がどういう理由かはわからないが収縮して、金属の部分が腐食、ホース部が外れて大洪水になるという代物である。ちなみにフォルクスワーゲンのほかの車で、こんな長いパイプ、しかも樹脂製のものをつけているモデルは無い。
ホース側にパイプの金属部分がちぎれて残ってしまった。
「このパイプは一回交換したのかなあ」と岡田メカ。僕の記憶ではないので前のオーナーがやっているかも、と応える。無交換にしてはキレイ過ぎるそうだ。購入時67,000マイル、今ほぼ120,000マイル。購入してから80,000kmほど走っているからなあ。
ホース側も交換。未交換のホースが結構残っていることが判明した。
さてここからは私見。
このパイプ、ステンレス製のものもあるらしい。放熱効果は樹脂製のものよりも上だろうし、上に記したようなトラブルは発生しないとは思うのだが、もし寒冷地に行くような使い方をするのであれば、ステンレス剥き出しのものは止めたほうがいいように思う。
金属は熱をよく伝える。放熱効果が高いということは、外が冷たければそれも伝える。クーラントも凍りやすくなるわけだ。凍れば膨張する。膨張すると…。
すべてとは言わなくても、一部でも凍れば血栓のように詰まる可能性があるし、氷の破片がウォーターポンプを壊す可能性もある、というか実際凍ったクーラントの破片がポンプを壊した例もあったそうだ(ステンのパイプを使っていたわけではないが)。もちろんこれは私見だけど、ただ僕は、あと10年使えばまた縮むのだろうけれど樹脂パイプを使う。
ラジエターからこのパイプまでのホースと、パイプを交換。
しかし未だ交換していないパーツが結構あるようで、あとでリストをもらったけど。。。
うーむ。
そして後方への排熱廃棄穴については…、今回見送ることにした。Dr.と岡田メカの勧める改良をした上でそれが必要かを吟味することになったのだ。
クーラントパイプを交換するためにはガソリンタンクを下ろさなければならない。
どうせガソリンタンクを下ろすのなら、とガソリンタンクの上部についているゴム製のホースを交換する。これが劣化すると室内にガソリン臭がするのである。満タンにするとたまにそんなことがあったのだ。
我が目には初お目見えとなったガソリンタンク。
「全然キレイ。タンクそのものは問題ないですよ」と岡田メカ。まあガソリンの入れ替わり激しいからなあ。錆びなんかついている暇ないかも。
その他諸々。
スライドドアのシームが切れてしまっていた。
これの交換をするが、ドアを外さなければならないのでちょっとお手伝い。しばらく閉めにくいので我慢してくれとのこと。密閉性も増すかな。
補助灯も片方点かなくなってしまったので見てみると、コード自体がぼろぼろ。ちょっといじったら点いたことは点いたけど、帰るときには点かなくなっていた。
この日までに用意することができなかったので、積んでいった自転車で近くのオート●ック●に行ってみた。すると最近、補助灯なんて売ってないのね。バルブやHIDはあれど、フォグランプ単体なんて置いていなかった(泣)。
幸い今回は、緊急対応も発生せず、岡田メカもほぼ同じ修理を前日に行っていたというので、修理は順調に進み、当日中にENDが見えてきた。もっとも僕がやろうと思っていたことをやらなければ、ということになるけど。
ただ岡田メカの体調もあまりよくないということもあり、土曜の修理を終えたらそのまま帰ることにした。ギリギリまでビジネスホテルを取ろうかどうしようか迷っていたけど、このまま帰れば、ETC深夜割引が使えるので出発することにする。
もうかなりフラフラだけど、とにかく高速に入ってしまえば大津SAでもどこでも休憩してしまえばいいのだ。というわけで、金曜夜出発、土曜半日修理、土曜夜大阪出発、日曜昼帰着という2泊1日強行軍はまあなんとか終了。ちなみに今まで高速で数時間走ってSAに入ると1000rpmを超えていたアイドリングの回転数とハンチングは収束し、燃費も8km台に乗る効果を示していた。
岡田メカに順調な旨を知らせると、「(ヴァナゴンの)アイドリングはそんな簡単には直りません、しばらく様子を見てください」というメッセージと請求書と交換要のパーツ一覧が到着。むぅ。エンドレス。